内容説明
人生の同伴者としてのイエス・キリストを見出そうとした遠藤周作。
小説の登場人物たちは、いまなにを語りかけてくるのか。
▼2021年、没後25年を迎える遠藤周作。
▼日本ではじめての本格的なカトリック世界を築き上げた作家を、世田谷文学館の連続講座を基にして解明する。
遠藤周作没後25年を前に、世田谷文学館の「連続講座」で五人の講師と館長・菅野昭正が、「まだ生きつづけている作品」である「堀辰雄覚書」「神々と神と」『留学』『白い人・黄色い人』『海と毒薬』『沈黙』『侍』『死海のほとり』『狐狸庵閑話』『宿敵』『反逆』『決戦の時』『男の一生』『王の挽歌』『女』『女の一生』『わたしが・棄てた・女』を論じていく。
目次
西欧と日本のあいだ
「神」をめぐって 文化風土をめぐって 菅野昭正
遠藤周作さんとカトリックの信仰 加賀乙彦
昭和戦後の笑い
遠藤周作 狐狸庵先生 持田叙子
文学者、信仰者としての誠実さ 富岡幸一郎
遠藤周作と歴史小説 高橋千劔破
遠藤周作とフランソワ・モーリヤック
『炎の河』と『わたしが・棄てた・女』における「妙な渇望」 福田耕介
あとがき 菅野昭正