内容説明
わたしは新進気鋭の抽象画家。キャリアをかけた個展を目前に、出展予定の連作が消失してしまう。買い手のついている作品もあり、個展に穴をあけるわけにはいかない。伝説的アーティスト集団パイン・シティのスタジオを借り、芸術家たちと交流しながら絵を描き直していたが、自殺した元メンバーの制作ノートを発見したことで彼女が最後に遺した作品の秘密に巻き込まれる。芸術のアイデンティティをめぐるサスペンス長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
21
アメリカの現役女流サスペンス小説のひとりである、バーバラ・ボーランドのデビュー作である。わたしは新進気鋭の抽象画家。キャリアをかけた個展を目前に、出展予定の連作が消失してしまう。買い手のついている作品もあり、個展に穴をあけるわけにはいかない。伝説的アーティスト集団バイン・シティのスタジオを借り、芸術家たちとの交流をしながら絵を描き直していたが、自殺した元メンバーの制作ノートを発見したことで、彼女が最後に遺した作品の秘密に巻き込まれる……という話だ。最後の最後までまったく分からなかったぜ。(→)2021/12/21
星落秋風五丈原
21
名前のないわたしが憧れていた前衛芸術家の死に迫っていくうちにしっかりしてゆく成長譚でもある。2021/03/20
全力たぬき
3
誰かに憧れて何かをすることは、とても怖いことだと思う。憧れは他者に対して抱く気持ちで、その気持ちを原動力にしていると、本当に好きで自分のためにやっている人とその分野で争った場合に結局勝てないと思うから。 この物語の主人公もそう。ケアリーに憧れている。タイトルの贋作はそこからきているんだろう。 長年憧れ続けたケアリーの謎に迫っていく物語。面白くなかったわけではないけど、どこか消化不良だった。 もっと人間臭いか、パインシティに来るまでをもっと削ってミステリー仕立てにするかで描いてもらいたかった。2021/04/04
Itsu
2
こんな展開になるなんて、誰が想像できた?2021/06/09