内容説明
第一章 相撲列車は、こんな列車だ
日本相撲協会員全体の移動手段の勘案と手配を一手に担う「輸送係」の仕事ぶりとは。相撲列車はいつ走るのか、車内はどのようになっているのか。有名力士のエピソードなども。
第二章 きっぷの手配方や列車移動あれこれ
どのような規則に沿ってきっぷの手配を行っているか。そして、番付がモノをいう大相撲の世界において、誰がグリーン車を利用できるのか。親方衆の隣には誰が座るのか。
第三章 まだある大相撲×鉄道雑学
現役力士の名前が特急の愛称に? 運転士に転身した力士がいる? その筋では有名な出世列車のエピソード? 東京駅のイメージは横綱の土俵入り?
コラム1 峰崎親方&銀治郎さんインタビュー(聞き手 能町みね子)
コラム2 国技館が、もとは両国駅だったという事実
■著者紹介
木村銀治郎(きむら ぎんじろう)
1974年生まれ。幕内格行司。1990年三月場所初土俵。2014年十一月場所幕内格昇進を機に三代・木村銀治郎を襲名。土俵上のさばきのほか、大相撲の魅力を伝えるべくテレビやラジオ、雑誌などで活躍、講演活動なども行う。監修に『大相撲語辞典』(誠文堂新光社)。
〈イラスト〉能町みね子(のうまち みねこ)
1979年生まれ。エッセイスト、イラストレーター。相撲愛好家でもあり、テレビやラジオの相撲番組における軽快なトークが人気。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
106
テツ本は数あれど相撲と鉄道の関りを描いたものは初めて。地方場所と巡業で年の半分以上が旅空にある力士や行司は、日本で最も旅暮らしに明け暮れている。大人数で各地に向かう一行の輸送から宿泊、食事までを差配する行司の役割は団体旅行のツアーコーディネーター兼添乗員であり、実質的に旅行業務取扱管理者として活動している。特殊な集団が滞りなく旅するため積み上げてきたノウハウの数々は真似できないものばかりで、一般の旅行代理店など口を挟めない。有名力士たちの抱腹絶倒なエピソードも満載で、相撲と鉄道と旅行ファンすべてに楽しい。2022/01/16
ホークス
48
2021年刊。著者は鉄道好きの行司さん。私は鉄道も大相撲も詳しくないけど面白かった。本場所の年6回90日に加え、地方巡業が80日程(ほぼ1日1カ所)。更に海外公演もある。お相撲さんは忙しいのだ。鉄道やバスの移動は重要で、その実務は行司さんが担当する。スケジュール組み、JRやバス会社との折衝、駅での段取り、食事の準備などが生々しく書いてある。巡業が露天だった頃は、雨だと調整が大変だったらしい。相撲ファンから行司になった著者はカラッと明るい。日本が貧しかった時代のエピソードも読みやすい。挿絵は能町みね子氏。2025/04/27
おかむら
38
もしや交通新聞社新書最大のヒット作か!現役の行司さん(趣味が鉄道)が書いた、相撲取りの鉄道移動だけに特化した本。コレが実に楽しい! お相撲さんは一年中、本場所や地方巡業で鉄道に乗っている、とか、行司さんの仕事に「輸送係」という切符の手配など移動の全てを仕切る係かあるとか、へえー! 新幹線にお相撲さんがぎっしりみっちり乗ってるのを想像しながら読みました。体重別座席指定のパズルやってみたいわー。能町みね子がイラストとインタビューを担当。輪島関の話がとにかくオカシイ!2021/11/25
gtn
35
相撲列車や輪島を始めとする当時の現役力士のエピソードが最高。著者も、峰崎親方が現役時代から鉄道ファンだということを知り、同部屋に行司として入門したというから筋金入りである。趣味と実益を兼ねていることや、師弟で共感できるものを持っていることが羨ましい。2021/09/01
Roko
31
普段わたしたちが目にする大相撲は本場所だけですけど、力士たちは年三回の地方本場所(名古屋・大阪・福岡)と地方巡業で日本国中を旅しています。彼らの移動手段(列車・飛行機・バスなど)を手配しているのは行司さんなのだそうです。200名以上の切符の手配も大変ですけど、それよりもさらに大変なのが席割りなのだそうです。部屋単位でまとめなければならないし、そもそも身体が大きな力士たちですが、その中でも大きい人が並ばないようにという気配りも大事です。2023/09/11
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