忖度しません 世の中ラボ3

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忖度しません 世の中ラボ3

  • 著者名:斎藤美奈子【著者】
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 筑摩書房(2021/02発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480815576

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内容説明

あなたも、わたしも、この国の当事者。自分の言葉で、ちゃんと語るために。考えるためのヒントがいっぱい。激動の時代を、本を読んで考え続けた5年間、42の同時代批評。

目次

バカが世の中を悪くする、とか言ってる場合じゃない
「反知性主義」を批判するあなたの知性
誰が北朝鮮拉致問題をねじ曲げたのか
だからリベラルは負けるんです
呪われた東京五輪はアンコントローラブル
安倍ヨイショ本で知る「敵」の手の内
自己責任じゃ語れない貧困と格差社会
加計問題を生んだ「国家戦略特区」のインチキ
海外発の本から探る「日本再生」への道
参院選を盛り上げた「れいわ新選組」とは
いまこそ学ぼう、絵解き日本国憲法
戦後日本の転換点はいつだったのか
戦後日本のピークはいつだったのか
戦後日本の右旋回はいつ起きたのか
いまこそ知りたい「六〇年安保」
四〇年後のロッキード事件と田中角栄
政治家の回想録が語る、永田町の九〇年代
なかったとは言わせない「朝鮮人虐殺」
明治一五〇年と「司馬史観」の罪
ネトウヨvsリベラル、攻防の二五年
改元のついでに考えた、平成の天皇制
わかったつもりになっちゃいけない、地方の現在地
観光でも基地でもない、沖縄の実像
アイヌ民族は「未開の民」だったのか
世界遺産登録の裏でゆれる長崎キリシタン論争
民営化から三〇年、鉄道はどこへ行く
「オール沖縄」を育てた翁長雄志の二〇年
住民投票が問うもの、問われるもの
富山県が誇る「幸福度」と日本の未来
文学はいつも現実の半歩先を行っている
認知症が「文学」になるとき
セクシュアリティと小説のトリッキーな関係
現代語訳「古事記」の奇想天外
八〇年目の『君たちはどう生きるか』
老境を描く「玄冬小説」って?
本当は近代文学だった「源氏物語」
北の大地と「ご当地文学」の可能性
当事者が声を上げれば、やっぱり事態は変わるのだ
彼女が「フェミニスト」を名乗るまで
セクハラと性暴力をめぐる由々しき誤解
Kフェミから私たちが学ぶこと
困ったもんだよ、夫婦のトリセツ
三〇パーセントの女性議員が社会を変える
LGBTドラマではわからないこと
彼らの勘違い、彼女の異議申し立て
番外編 新型コロナウイルスが来た!
人類の感染症史と新型ウイルス
コロナの渦中でペスト文学を読む
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

110
あの斉藤美奈子さんが忖度しないと言うのだから、かなりのことを期待して読みました。連載物で一つのテーマに、三冊の本を取り上げて語る、社会時評と書評を兼ねたような構成。切れ味鋭く問題をえぐってるのですが、あまり気乗りがしませんでした。著者の問題ではなく、私自身の問題でした。政権批判など”床屋談義”は、もう食傷気味なのです。その中で目に止まったのは「戦後日本のピークはいつだったのか」という問いかけ。今日の日本が「下り坂の時代」に入っているのは自明のこと。するとピークはいつだったのか?それは1985年だった。2021/01/15

trazom

89
斎藤さんが「忖度する」なんて誰も思ってないから、このタイトルは笑っちゃう。期待に違わず、とても面白い。政治、経済から、文学、フェミニズムなど幅広いテーマごとに、あえて考え方の対立する三冊の書籍を取り上げて論じるから、議論の幅が広くなる。新自由主義や歴史修正主義に対して批判的という斎藤さんのスタンスは明確で、快刀乱麻の切り口は歯切れがいい。この本の魅力は、テーマに対する論考と三冊の書籍に対する書評を同時に楽しめることにある。忖度しない斎藤さんが「好書」として紹介している本は、是非読んでみなくては…。2020/11/01

とよぽん

72
表紙から受ける印象とは違って、内容はなかなか重苦しいことを切れ味抜群の言葉で斬りさばいた凄い1冊だった。少し前に『中古典のすすめ』を読んだときよりも本書の方がもっと鋭い感じがする。社会時評と書評を兼ね備えた文章で、毎回3冊の本を取り上げて論じ比較する。その選書が的確で、読者の視野を広げてくれる。「あとがき」にみんな、つまらぬ忖度はやめて、いいたいことはいったほうがいい、と斎藤さんのホンネが。当事者が声を上げれば事態は変わるのだと。2021/01/05

もりくに

62
出版社のPR誌はどれも小振りだが、なかなか面白い。私がたまに訪れる本屋は(その店しかない!)マガジンラックに岩波書店の「図書」が差してあるので、ありがたく頂戴して、愛読している。本書の基となった「世の中ラボ」が連載されている「ちくま」も強力だ。斎藤美奈子さんと「忖度」しない二強を形成する金井美恵子さんの「重箱の隅から」も十分に笑わせてくれる。本書は2010年代後半の論考だが、10年代前半のキーワードが「危機感」に対して、後半は「倦怠」ないし「停滞」だ、と。象徴は、安倍政権の居座りと、「忖度」だ、と。→2022/02/09

まこみや

49
もちろん社会的・歴史的な因果関係を一つに限定することは不可能なことだが、今の日本の劣化、特にその政治に主導される劣化はいつ始まったのだろうか。著者によれば、一つの大きな要因は村山内閣の行った「小選挙区制」だという。その後、新自由主義と国家主義を標榜する、中曽根、小沢、橋本を経て、小泉がダメ押しして、最後に安倍晋三が完膚なきまでに破壊した。ここに至って完全に鍋の底が抜けてしまった。僕もその一人だが、今や誰もその先に待っているものを直視する勇気がなく、目先のお祭りに浮かれたフリをしているような気がします。2021/02/07

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