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内容説明
――私は野球を憎んでいます。
その年最高の投手に与えられる特別賞「沢村賞」に名を遺す沢村栄治。
職業野球選手一期生として活躍し、太平洋戦争中に兵士として27歳で命を散らした男は、死の直前そう書き残しました。
六大学野球が全盛の時代に、職業野球(プロ野球)は、スタート直後世間の蔑視に晒されていました。
中学の野球部で指導を受けた監督の縁があった慶応大学への進学を夢見た沢村栄治は、家庭の経済状況から果たせず、中学を中退して出来てまもないプロ野球の世界に。
その後は親族が無軌道に膨らませていく借金に拘束されて、学業に戻ることも叶わず、その結果、戦争の状況が悪化すると、沢村には徴兵猶予の特典もなく、戦死するまで繰り返し兵役へ駆り出されました。
日米戦ではベーブルースと対峙し、アメリカにも二度渡ってその名を轟かせた沢村栄治の軌跡と、波乱にみちた職業野球の誕生の物語を自身も東大で六大学野球をプレイした作家が描きます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
65
私の世代では、沢村栄治のプレーを見ていた人がまだ沢山いて、そのすごさを何度も聞かされたものです。私の父も沢村栄治と同世代でした。沢村栄治の話を聞くこともありましたが、そこには戦死した無念の気持ちが込められているように感じました。沢村栄治に関する著作は沢山出版されていて、何冊かは読んでいましたが、年齢のせいなのでしょうか、この著書では、時折涙が止まりませんでした。2021/08/03
金吾
29
○詳しく調べていると感じますし内容はセンセーショナルで面白かったです。流布されている沢村栄治とは違う側面を見れました。2022/09/10
Urmnaf
15
言わずとしれた職業野球草創期の大エース。大きく足を上げる美しいフォームから突出したスピードボールを投げ、懸河のドロップとのコンビネーションで大リーガーをも手玉に取った。しかしながら、プロ入りは周りの大人たちの思惑に翻弄され、必ずしも本人の望みではなかった。進学を諦めてプロ入りしたことが後々徴兵にも影響し、野球選手のキャリアだけでなく、文字通りの生命をも縮めてしまう。こうした様々な不本意さが野球に対する複雑な思いとなったらしい。そういう時代だったとはいえ、好きな野球にそんな思いを抱かせてしまうのは残念至極。2021/03/02
かっくん
10
日本プロ野球の黎明期に活躍した伝説の投手沢村栄治。彼の生涯を通じて、戦前の職業野球の歴史の変遷も描く。映像や写真もほとんど残っていないので、実際の沢村の投球がどのようなものだったか想像するしかないが、人々に鮮烈なインパクトを与えたのは間違いない。今は設備も整い、観客動員数も順調に伸びて、毎日のように野球の試合があるのが当たり前の時代であるが、沢村たちの苦難の時代については、長く記憶にとどめるべきである。2023/09/21
フラチキさんです
9
★★★★★ 初読み作家さん。野球に興味がないので、逆に商業野球のレジェンドについてを読んでました。沢村栄治さんの境遇と、それに付随する戦争の悲惨さやブラックな商業野球の面が書き連ねられており非常に読み応えがありました。あとは素直にアメリカとの対戦と沢村さんの無双っぷりは男心くすぐられますね。当時の背景みたいなものを軽くなぞれて満足です。2024/05/12
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