内容説明
原発事故で人・地域が負った傷を回復させるはずの「復興」.しかし,その名のもとに,放射能汚染の実態や加害の責任が隠蔽されようとしている.避難区域の解除と帰還推進一辺倒の政策で,住民たちは岐路に立たされている.原発事故直後から現地を取材し続ける著者が,カラー写真とともに住民らの声を伝える好評シリーズ第3弾.
目次
第1章 突然の写真の展示拒否 隠される〈過去〉と〈現在〉┴不可解な展示拒否┴たった一枚の写真でも表現の自由┴ジャーナリストと「自己責任」┴あることをないことにする社会┴「風評被害」の言葉で消されるもの┴モニタリングポスト撤去の目論み┴安倍首相による「フクシマの 」┴第2章 除染 目標なき公共事業のゆくえ┴除染を行なっても┴「除染神話」の形成┴除染の効果は「長期的目標」┴除染という被曝労働┴「仮置場」「仮仮置場」「仮仮仮置場」┴除染したのに解体┴新たな「安全神話」┴第3章 「復興」がつくる新たな「安全神話」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobu A
11
豊田直巳著書初読。19年刊行。文章で楽しませてくれる作家に対して、報道写真家は端正な文を綴り、加えて現地に足を運び、写真で現状を伝えてくれる。その姿勢には頭が下がる。しかし、何とも言えない読後感。誰が悪いんだろうか。無策の政府にも腹が立つが、原子力に依存した日本人にも非がある。福島第一原発事故で苦しむ地元の人達。若ければ他所で職を探し、新しい生活を送ることも比較的難しくないだろうが、生まれ育った場所に愛着がある高齢者には移住が簡単でないことは容易に想像出来る。どのような形の復興が待っているのだろうか。2025/09/24
tsubomi
6
2023.03.27:原発事故後に避難生活を続ける人、地元へ戻る人、戻るかどうか迷っている人、被災者に対して腫れ物に触るように扱う一方で神経を逆撫でするような暴力的な扱いをする者たち、過去の原子力政策をなかったことにしようとする原子力ムラと行政。アウシュヴィッツ強制収容所のゲートの文言が残されているように残したらいいと思うし、何を消したってなかったことにはならないのに、日本政府は揉み消すのが常套手段だなぁ、と、読みながら改めて絶望感でいっぱいに。この国のどこかに希望が転がっているといいけれど。2023/03/27
かわくん
2
福島は原発事故後、多くの方が避難を余儀なくされた。しかし時間がたち、「復興」とう言葉が強調され、被害そのものに目が向けられなくなってきた。古里への帰還が始まった地域では、戻る、戻らないという選択を避難者自身が主体的に決められない現実が浮かび上がる。戻らない=自主避難=補助なし、という具合に選択の幅が行政によって狭められているという。避難した方たちと同じ目線で発信し続けるジャーナリストの著者が、このような施策に疑問を投げかける。それに私たちがどう向き合うのかを問われている。2020/03/30
星辺気楽
1
とにかくむちゃくちゃなこの国。2019/04/15
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