内容説明
福島原発事故後,市民に伝えられるべき情報の多くが隠され,誤った説明が繰り返され,国民不在の場で様々な基準が決められていった.なぜ,これほどまでに「主権者」である国民がないがしろにされたのか.政治家,官僚,メディア,専門家,そして東電などによる事故後の対応を振り返りながら,その構造的問題点を指摘する.
目次
はじめに┴1 情報は誰のものか┴2 誰のための官僚か 「主権在官」の実態┴3 司法の限界┴4 主権者として振る舞うために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
31
岩波ブックレットもここの新書同様、すぐ読めてもちゃんと有益な冊子があります。 官僚機構と原子力シンジケートにいいようにされている原子力行政の現場、問題点しかないのですが、それが端的に述べられています。情報を隠す体質からは何も生まれません。アベ政権や日大とかと同様です。 日隅氏は若くして病死されてしまいましたので、残念です。 惜しい人を亡くした、といえるケース、あまりありませんので……。2023/12/17
けーすけ
4
フクイチを題材に主権を考える本。経産省と東電の癒着・隠蔽工作、情報開示制度、司法の限界、メディアリテラシー、デモや拘束型国民投票、官僚主導政治、主権者教育等を他国制度と比較しつつ論じている。「国民全員で一つの政権を選び、その政権が政治的な方向を打ち出し、みんながそれについていく。そういう従来型の政治が十分に機能しなくなった、それが現在の民主主義の姿なのです」安保闘争以来政府が文部省通達を出して政治教育を学校教育の場から締め出したのには驚いた。2014/12/17
そのじつ
4
「政治」の知識ゼロ、だけど今のままじゃマズい。かいつまんで政治の問題点を知りたい、そんな私にちょうどいい本でした。副題についている「原発事故から考える」のとおり、著者は事故への対応が適切に行われなかった原因への考察から語り起こしている。そしてそこには官僚まかせで政治がパフォーマンスか何かのようにしか感じられなくなっている国民、官僚が主導権を握り、官僚の都合に合った運用形態に成り下がっている三権分立が横たわっていた。なぜそのような流れになっていったかが手短に要点を絞ってまとめられていて、読みやすかった。2012/12/02
Natsuhiko Shimanouchi
3
昨年6月に亡くなられた日隅さんが病と闘いながら書き残した遺書のような一冊。日本国憲法基本三原則の一つ「国民主権」を実現するための課題と示唆。2013/05/04
おね様
3
とても大事なことを、要約していてすぐに読めるのでぜひ読んで欲しい1冊 日本の司法・行政・立法・官僚などなど異質性が垣間見える。2012/05/12
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