内容説明
いま,福島第一原子力発電所の事故現場で,誰がどのような状況で働いているのか.ピンハネ,違法派遣,偽装請負.劣化する働きかたを象徴する原発労働の実態を,現場での調査を踏まえて報告する.高い放射線量などの苛酷な労働環境のなか,緊急作業に従事する「フクシマの英雄たち」への報酬が日給8000円という現実.
目次
人間の復興を目指して 宇都宮健児(日弁連会長)┴作業員たちが語る原発労働の実態 日弁連貧困問題対策本部┴原発における被曝労働と間接雇用の「活用」 それでも原発を続けるのか 萬井隆令(龍谷大学名誉教授)┴現場からの報告 渡辺博之(いわき市議会議員)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
5
裏表紙に日給8000円という現実、との虚し過ぎる文字。というよりも小ばかにした数字。「いまは、東京電力は正社員を現場に投入しており、かなりの正社員が相当程度の被曝」(14ページ60代男性の証言)。鉛筆記録は書き換えられるので問題だ、と口にするのは浜岡原発で働いたことのある川上武志氏(30ページ~)。大腸癌を発症したのは半年経過後という(35ページ)。健康を蝕む文明病、原発作業。結局、マンパワーで管理する得体の知れないものをつくってしまい、文明の終着駅に連れていかれたのだ。アルジェリアの派遣社員とダブった。2013/01/26
RED FOX
1
2011.3.15、厚労省は福島第一で緊急作業につく場合は年間250ミリシーベルトの被曝を容認した、規則では100だが。 2011.4.1、経産省は福島第一の緊急作業の被曝は「別枠扱い」とし、他の原発での被曝労働も認めるよう求めた。 ・・・あと100年もしたらこういった仕事や兵士としてしか働けない階級が出来ているのでしょうか、勿論その他の階級の「良心」が痛まないようにしながら。不都合なルポなんて絶滅させられてるでしょうし・・・。いかん、暗くなってしまう、怒ってしまう、この読後感(>_<)2013/08/17
Mealla0v0
0
日弁連の大会で扱われた原発労働の劣悪性をテキスト化したのが本書。人権や労働法の観点から問題が指摘されている。まず、原発労働の特徴として下請け・孫請け・ひ孫請け・人夫出しといった貧困問題の構造が批判されている。東電やメーカー(日立・東芝)から下請けが行われていくなかで、労働者の権利も賃金も削られていくのだ。社会保険を求めようなら二度と働かせてもらえず、生きていくためには死にかけないとならない。人海戦術という名の「使い捨て」が横行するが、その廃棄される生をフクシマを救う「英雄」と称賛する倒錯のなんたることか。2017/07/14
ぼーくー
0
☆☆☆☆2014/04/04
瀧本往人
0
原発労働に従事している人へのインタビューが、興味深い。 http://ameblo.jp/ohjing/entry-11772902606.html2014/02/13
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