内容説明
収束の兆しが見えない福島原発事故.数々の紛争地を取材してきた著者は,震災直後から福島に入り取材を重ねる.生活の痕跡を残しながらも人影の消えたまち,放射能汚染や行政の対応に翻弄される住民たち,作業員の語る原発労働の内実…….被災者たちの生の声とともに,原発震災下の実態をカラー写真とルポで描き出す.
目次
はじめに 見えない戦場┴第1章 終わりの見えない恐怖へ┴第2章 漂流する避難民┴第3章 放射能に襲われた「までい」の村┴第4章 津波と原発震災┴第5章 「原発で 手足ちぎられ 酪農家」┴おわりに 命を守るために┴地図
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がんぞ
2
緊急避難地域では、震災後一か月で普通に片づけてない御遺体があった。そのころは牛や犬など動物が悲惨なことになっていたが、現在では植物の力が家屋をほとんど破壊している/「直ちに健康に害はない」枝野発言は不安を煽ったが民主党政権にマスコミは寛容だった。「何十年かあとにガンになる、かもしれない」を恐れて、やみくもに移動させた結果、病人の「関連死」なかには「餓死」まであり、SPEEDI情報を公開しなかったため線量の多い処へ避難もあったという/俺は「1000mシーベルト余命1年減」と考えている。ちなみに喫煙では8年減2017/01/22
Wataru Hoshii
2
震災直後から、地震・津波と原発の二重の被害を受けている現場に入り、取材を続けているフォト・ジャナーリストによる記録。写真だけならば、もっとセンセーショナルなものがすでにネット上で公開されている。遺体しかり、死んだ牛や、野生化したペットも。しかし、そこに住む人の思いを丹念に取材した文章はジャーナリストにしか書けないものだ。その文章があって初めて、写真の向こう側にある真実が見えてくる。ヴィジュアルは雄弁だ。しかしそれを生かすも殺すも伝え手の思い次第だ。2011/08/14
越部社長
1
写真とそれを補足する取材記からなるブックレットで、1時間くらいあれば読める分量だが、そこに込められたメッセージは決してお手軽なものではなく、読んだ後にずしりと重くのしかかる。原発事故直後に実際に福島原発の傍まで近づいたからこそ提示できる実数値の持つ重み、生活の糧を奪われた酪農家たちの日常から拭い去ることの出来ない不安、果ては絶望。そして、そこになんら有効な手を打たない政府に対する憤り。これらは現在進行形の惨状を切り抜いた、被災地の生の声である。2011/12/11
じん★ひで
0
ちょうど二年経過したことを忘れてはいけないと思い、読む。日本人は忘れやすいとよく言われるが、決して消し去ってはいけない出来事が、まだまだ終息していないことの、重みとリアルさを、写真とインタビューで再認識。2013/03/11
丸尾聡
0
直接お会いして話を伺った飯舘村の酪農家、長谷川氏の話し、もう一度読み直しても、胸が詰まる。原発村の枠外にいたといていい飯館の人たちの「怒り」は、この震災の中で唯一と言って良いまっすぐさを持っている。著者の高濃度に汚染された「何百年とこの地に人々が暮らしていた証しでもある墓地」を見た際の「言葉に言い表せない悔しさ」に共感。2012/01/20
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