岩波ブックレット<br> 震災トラウマと復興ストレス

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岩波ブックレット
震災トラウマと復興ストレス

  • 著者名:宮地尚子
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • 岩波書店(2021/03発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784002708157

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内容説明

未曽有の災害が刻んだ心の傷(トラウマ)は,時とともに思わぬストレスや人間関係のトラブルとして表れる.なぜ生き延びた被災者が罪の意識に苦しみ,支援者が燃え尽き,遠くにいる人までが無力感にとらわれるのか.震災のトラウマが及ぼす複雑な影響を理解し,向き合い,支え合うための一冊.

目次

はじめに┴1章 震災とトラウマ 〈環状島〉を描く┴2章 被災者の位置 〈内斜面〉┴3章 支援者の位置 〈外斜面〉┴4章 被災地から遠い人たちの位置┴5章 復興とストレス┴あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

百太

29
有った。あった。有る。ある。2011年8月発行で後書きには2011年7月とありました。 この著者さん予言者かしらんと思うほど。発行された時読んどきゃよかったと、ちょっと後悔。 2017/03/05

かんちゃん

26
著者の提唱する「環状島モデル」によって、震災時の被災者のトラウマと支援者のストレスについて説明している。現象を知識として整理するために、メタファーを用いることは有益だ。しかし、現象の背後にある心理的ダイナミズムには全く踏み込めておらず、残念だ。熊本地震もハネムーン期を過ぎ、いよいよ幻滅期から再適応期へと移行する。被害が甚大でありながら局所的だった熊本では、幻滅期がより急速に進むことが予想される。遠隔かつ素人の私には何もできないが、各々のフェーズにおける対処法についても学んでみたい。2016/05/08

くろすけ

21
災害を巡る人々の立ち位置を「環状島」をイメージしたモデルで整理することにより、それぞれの立場で受ける傷やストレスを的確に理解することができます。被災者、支援者、その外側の無力感に苛まれる人々、それぞれに暖かい理解を示しながら、前向きに復興を進めるための心の持ち方を示してくれます。この環状島モデルは、激甚災害だけでなく、身近に起こる病気や事故などにも応用できる有用なツールだと思いました。2014/01/13

苦虫

11
映画『ものすごくうるさくてありえないほど近い』のレポート作成の為。9.11と3.11は重複する点が多く感じる。「環状島モデル」はあらゆる出来事に応用可能、痛みのレベル分けという点でも単なる同心円とも一線を画す。立ち位置毎に起こるとトラウマ・ストレス現象も分析。著者は日常のざらつきを敏感に感じ取りそれを文章に書き記すタイプで、文化人類学的というか珍しい学者だと思う。そう遠くない将来、また日本を大地震が襲うだろう。その時私たちはいかに学んだことを活かし、自らを含めた被災者をケアしていくことができるのだろうか。2016/07/04

かりん

8
5:《震災におけるそれぞれの立ち位置の症状や課題を、環状島モデルで示す。》2010年に読んだ著者の『環状島=トラウマの地政学』は今でもとても大切に思う本です。このブックレットでは、東日本大震災を環状島モデルによって簡易かつ的確に表し、それぞれの立ち位置で起こりうる心理状態や問題点、それらを変化させる外的要因を解説しています。その視線はあたたかなものです。はやく読みたかった。後知恵バイアス、重さ比べ、弱さの情報公開、味方だがよそ者、「無傷」「無事」は結果論、目撃トラウマ、ハサミ状復興、選択縁2016/03/20

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