内容説明
コロナ下でも、あなたの「自由」を手放さないために
「ウイルスを恐れて家から出ない立場を10、ウイルスなど存在しないとする立場を1とすれば、私は6か7です。しかし3の立場もありえます」「電車を乗り換えるとき必死で走りました。息が上がり、マスクを外したその瞬間、警官が近づいてきて『マスク着用は義務ですよ』と言ったのです。私は必死で『息ができない(I can’t breathe)』と答えました」――ボンでは経験に根差した言葉でかつてなく詳細にコロナ下の心性を分析し、今こそ可能な「倫理的進歩」を「手放してはならない自由」と絡めて論じる。故郷ジンツィヒでは新実在論の成り立ちを発祥の当地で語り起こす。平易な対話形式による、ガブリエルの新しい“哲学教室”!
〈目次〉
はじめに コロナ時代の精神のトレーニング(丸山俊一)
I章 正解なき状況での選択
II章 思考で倫理は進歩する
III章 唯物主義を越えて、正しく錯覚せよ
IV章 道徳哲学が合理的なツールになる
V章 ウイルスが教える「正しい」生き方
VI章 「新実在論」誕生の原点へ
VII章 「他者が正しい可能性はある」
終章 分断を越える最後のチャンス
おわりに 今、自然の意味を問い直すとき(丸山俊一)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
52
ここ数年、気になる人ベスト5に入る(個人的見解ではあるが)。今、最も必要なのは、哲学であると思っている。哲学を学ぶのではなく、哲学を生きる・実践すること、これに尽きる。ここが無いために、今の風潮があると思う。違いを認め、そこに立脚して次のステップを目指す。その積み重ね。しかし、理解するにはまだまだ学ばなければ。 2021/05/07
樋口佳之
51
物理学を集中して学びたいとの記述がありそこ大事だな。沈黙の10年となっても現代物理学に立脚したものを書き出して欲しい。物理学者自身は困惑し放棄している様子なのだし。2021/11/28
フム
27
NHKBS1スペシャル マルクス・ガブリエル コロナ時代の精神のワクチン(2020/10/3放送)をベースにしたもの。インタビュー形式で表現されたやさしい言葉で哲学者の思考に触れられるようになっている。ベルリンに向かう電車の中でマスクを一瞬外したことを警官に糾弾された経験など、一生活者としてコロナの日常と向き合う中での哲学的思考が興味深い。2021/07/28
N島
24
哲学界のロック・スターことマルクス・ガブリエルの著書で平易なものはないだろうかと、床屋の待ち時間にKindleで購入した一冊。NHKの番組製作時に行ったインタビューを通して、マルクス・ガブリエルの思想の一端に触れる内容になっています。コロナの真っ只中…という時間軸において、一哲学者の語る精神的な所作に魅力を感じた一方で、彼が人間に期待を抱きすぎている感が見られ、流麗な言説にむしろ不安を感じてしまうものがありました。彼の言うところの最後のチャンスをふいにした我々ですが…果たしてこの先どうなるのやら。2026/01/27
Tenouji
24
あらためてのガブリエルw。それぞれの専門分野の視点で考えて、さらにそれを人間的なメタ視点で考える、と。多様なものと統合するもののバランス。なんだか新実存主義が、非常に気になってきた。2021/04/03
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