天皇畏るべし

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天皇畏るべし

  • 著者名:小室直樹【著】
  • 価格 ¥1,584(本体¥1,440)
  • ビジネス社(2021/02発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784828418797

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内容説明

◎――「保元の乱」(一一五六年)で、我が誇るべき天皇システムは解体され、日本の根本規範、倫理道徳は木端微塵(こっぱみじん)となり、腕尽くの世(武士の世)となってしまった。
漸(ようや)く明治維新で天皇は「現人神(あらひとがみ)」として復活された。
「天皇は神聖にして侵すべからず」である。
そも「現人神」とは、如何なる神であるか。
イエス・キリストを想え。彼は完全な人であると同時に完全な神。
肉体は人間、本性は神。これぞ「現人神」ではないか。
神としての天皇はキリスト教に於ける神と著しく類似してくる。
本書の目的は、この摩訶不思議な天皇に社会科学的分析の光を当てて、その本質を解明することにある。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

軍縮地球市民shinshin

13
1986年刊行の本を復刊したもの。小室直樹博士が宗教社会学的見地からキリスト教と対比しながら、天皇について考察したもの。キリスト教でいう全知全能の「神」が日本では天皇に相当し、西洋の「神の前での平等」観念を、日本は「天皇の前での平等」という意味に読みかえて、帝国憲法以下は公布されたという内容。古今東西の様々な文献を渉猟しながら、それを裏付けようとしている。著者は社会科学者なので、文献史料の使い方が歴史学とは違うのだが、それにしてもその手際は理論的であって鮮やかといえる。独特の言い回しも面白い。2016/05/09

gtn

11
著者の意図と異なるかもしれないが、天皇に人間宣言していただいて本当に良かったと思う。儒教を捻じ曲げ、孝より忠を上位に置き、有事の際は国のために命を賭せと臣民に厳命する教育勅語。宗教である。邪教である。いまだに、教育勅語復古を希う議員がいるが、亡国の徒というのは言い過ぎか。2019/07/12

ゆうきなかもと

10
明治維新によって天皇=現人神という定義がなされたが、本書では冒頭からこうある。《そも「現人神」とは、如何なる神であるか。イエス・キリストを想え。彼は完全な人であると同時に完全な神。肉体は人間、本性は神。これぞ「現人神」ではないか。神としての天皇はキリスト教に於ける神と著しく類似してくる。本書の目的は、この摩訶不思議な天皇に社会学的分析の光を当てて、その本質を解明する事にある。》 強烈に論理的。論理の力でぐいぐい読まされる感じだ。今更だが小室直樹畏るべし(;゚д゚)2016/06/29

Coders

5
廃藩置県、教育勅語、大日本帝国憲法発布など普通なら国内大混乱の内戦状態に陥るような施策を号令一下でやり遂げてしまう天皇。これには「世俗の権力」だけでは無理で「神の権威」が必須。となるとこれはニケア公会議で決まったキリスト三位一体説そのものだ。という訳でキリスト教的神=天皇。こういう解釈をしたのだが、相変わらず小室教授の本は読みにくい。2019/02/19

toiwata

5
日本人は日本の歴史の中では戦国時代と、幕末から日露戦争のあたりまでが好きだと思う。しかし、画期となったのは保元の乱であり、このときに秩序の規範が崩壊し武家の世に突入したと筆者は明言する。また大日本帝国憲法は規範の再規定と宣揚と理解すべきである。実際のところ「欧米立憲国家」での憲法の位置付けと全く異なり、国民は契約の主体ではなく客体である。儒教最大の矛盾である「湯武放伐論」を読み変えることで幕府は倒され新政府が成立する。騙されているのではと心配になるくらいの論理構成、展開。流石、小室直樹。2016/05/27

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