内容説明
織田信長の「楽市楽座」は、流通システムの飛躍的拡大のために絶大な威力を発揮した。流通システムが発達し自由競争市場が成立するに連れ、独占資本下でも自由市場の方が儲けが大きいと感ずるようになる。すると「独占資本家」も次第に「楽市楽座」を支持するようになった。そして日本は全く別の国に生まれ変わった。本書では、桶狭間の役、本能寺の変での信長と兵の行動を分析することで、信長の世界史的意味を示した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
103
小室さんの一般向けの本は本当に読みやすく講談を聴いているような感じを受けます。この中でも独特の考え方を論じられていて私には新鮮な感じを受けました。最後の日本における資本主義の精神を論じているところがいちばん言いたいことだったのでしょうね。2018/02/28
九曜紋
7
再読本。2010年刊。日本において近代資本主義の精神を初めて体現したのは織田信長であった。司馬遼太郎の歴史観が「司馬史観」と言われるように、小室直樹の歴史観もまた「小室史観」と呼んでいいのではないか?そんなことを感じさせる。2020/09/08
take
3
いつもの小室節。洋の東西を疾走する豊富な具体例を提示して信長を語ってくれる。「今川義元が陥った優位複合体」の章では、昨年のクラブW杯(レアルvs鹿島)で、解説の岡田武史氏が攻めあぐねるレアルを見て「一度相手を舐めてしまうと、なかなか身体がついてこなくなる」という旨を話していたのを思い出した。2017/12/29
新平
3
日本の戦国時代においては、捕虜になって降伏すれば敵に仕えるのが定常的で、「玉砕の思想」は本能寺の信長から始まったとのこと。信長が坊主ごと比叡山を焼いたのも、天下布武実現のための合目的な行動であり、従来の価値観を破壊する革新性だと。 また、前近代的軍隊においては、略奪・分捕りをも含む戦闘個人主義こそ戦争の原則であったが、信長はこの原則を否定し、個人の働きよりも各自の部署における任務の遂行だけを問題にしたという。うん、確かに日本の近代の曙だw2017/01/23
normal09
3
タイトル、装丁は文句なしでかっこいいのに…下のコメントにもありましたが、ルビに英語・独語を用いてあり、違和感満載w人民のことを“フォルク”て‼笑 まあ、書いてある内容は面白いんですけど、とにかく読み難いという印象です。2011/02/21
-
- 電子書籍
- 私にだけテンパる上司の話【分冊版】 1…
-
- 電子書籍
- 千紘くんは、あたし中毒。 分冊版(16)
-
- 電子書籍
- 9割のねこ背は自分で治せる 中経の文庫
-
- 電子書籍
- とある魔術の禁書目録 〈13〉 電撃文庫