岩波新書<br> 実践 自分で調べる技術

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岩波新書
実践 自分で調べる技術

  • 著者名:宮内泰介/上田昌文
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 岩波書店(2021/02発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004318538

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内容説明

本の見つけ方.ネット検索の極意.現場で調査.値を測定.そして人の声を聴く.専門家でないからこそできる「調査のデザイン」により,これらを縦横無尽に組み立てながら,統計や分析で調べていく方法を具体的に解説.ロングセラー『自分で調べる技術』に科学的な視点を加えて新たに書き下ろす.「知的生産の技術」への一歩.

目次

第1章 調べるということ┴1 調べよう┴世界は複雑┴調べて解決への道を考える┴調べることはむずかしくない┴2 調べることで,何をめざすのか┴何をめざす調査か┴市民による調査はなぜ有効か┴水俣病の経験┴専門家の知識も利用する┴調査をデザインする┴困難を克服し,実践へ┴【練習問題1】┴第2章 文献や資料を調べる┴1 文献・資料調査とは┴多様な「調べ方」と文献・資料調査┴紙媒体かネットか┴本か論文か┴2 雑誌記事・論文を調べる┴国会図書館サーチ┴国会図書館から雑誌記事・論文のコピーをとりよせる┴J-STAGEで論文PDFを手に入れる┴学術機関リポジトリデータベースIRDB┴雑誌記事・論文を図書館で探す┴【練習問題2】┴【練習問題3】┴3 本を探す┴本は探しにくい?┴国会図書館サーチ┴CiNii Books┴本の中身から調べる Google Books┴図書館で本を探す方法┴公立図書館を調べる カーリル┴司書にたずねてみる┴実際に国会図書館に行ってみる┴専門図書館もある┴大切な本の「奥付」┴ネット書店とネット古書店┴4 新聞記事を調べる┴情報の宝庫,新聞記事を生かす┴新聞記事データベースの活用┴地方紙の魅力┴業界紙が役に立つ┴5 統計を調べる┴統計の探し方┴私たちにとっての統計┴政府統計の読み方┴e-Statを使ってみる┴政府統計以外の統計┴【練習問題4】┴【練習問題5】┴6 資料を探す┴図書館にない資料とは┴行政の資料┴その他の文字資料┴ネット上の情報┴7 書かれていることは真実か┴第3章 フィールドワークをする┴1 なぜフィールドワークが必要か┴知りたい情報は書かれていない┴自分たちの認識を問う┴2 フィールドワークの多面的な意義┴考え方の枠組みが壊れる┴学びの場としての機能┴フィールドワークの技法は複合的┴調査のプランを立ててみる┴【練習問題6】┴3 誰に聞くのか?┴行政の人に聞く┴話す側の「フレーム」を意識する┴テーマのキーパーソンを探す┴何人に聞けばよいのか┴4 聞き取りの基本┴相手に合わせたアプローチ┴一~二時間が標準┴もっと具体的に┴受容的に聞く┴フレキシブルに聞く┴5 メモと録音┴どんなメモ帳を使うか┴考えながらメモを取る┴メモをまとめる┴録音する┴ICレコーダーやスマホの録音アプリ┴文字起こし┴文字起こしの方法(1)音声データをまるごと起こす┴文字起こしの方法(2)丸めながら起こす┴文字起こしの方法(3)内容のみを起こす┴6 聞いた話は正しいのか?┴一次情報vs二次情報┴相互作用としての聞き取り┴【練習問題7】┴【練習問題8】┴7 観察する┴聞くだけがフィールドワークでない┴体験のなかで気づく┴観察したことをノートに書いてみる┴8 アンケート調査┴アンケート調査は量的調査┴無意味なアンケートはしない┴9 調査倫理┴宮本常一「調査地被害」┴調査は特権ではない┴お礼状を送る┴第4章 リスクを調べる┴1 なぜ自分でリスクを調べるのか┴リスクにさらされている私たち┴生活者の視点が大事┴現状をよりよくするために┴2 課題設定と文献調査┴課題を設定してみる┴過去の文献を調べる┴図書館を利用する┴文献検索サイトを利用する┴PubMed┴Bibgraph┴Google Scholar┴専門論文の読み解き方┴勉強したことがない分野の「勉強」法┴英語文献を読む技術┴最新の学問動向のフォロー┴専門家にたずねる┴テレビのドキュメンタリー番組を利用する┴【練習問題9】┴3 自分で測定する┴測定の前のフィールドワーク┴どのような計測がなされているかを知る┴計測器を知り,手に入れるために┴計測器を適切に使う┴測定値の扱いに注意する┴正確度と精度┴有効数字,較正┴4 統計データを利用する┴統計を活用する┴【練習問題10】┴5 リスクを推し量る 統計学,そして疫学の考え方┴データの特徴をつかみ,「違い」のあるなしを判別する 統計学の考え方┴リスクの大きさを計算し原因を特定する 疫学の考え方┴コホート研究と症例対照研究┴二つのグループの比較,交絡因子┴ハザード比とリスク比┴九五%信頼区間とP値┴第5章 データ整理からアウトプットへ┴1 フォルダによる整理┴フォルダとインデックス┴すぐに見返せるように┴電子データはどう整理するか┴紙の資料を電子データ化する┴クラウドストレージを利用する┴2 表やカードにしてデータと対話する┴データと対話する┴数値データをグラフや表にする┴文字データを表にする┴文字データをクロス表にしてみる┴カードにする┴ある語りからの四枚のカード┴キーワード化┴【練習問題11】┴3 KJ法によって体系化する┴KJ法とは何か┴実際にやってみる┴別の整理をしてみる┴IdeaFragment2┴座標軸で考える┴【練習問題12】┴4 アウトプットする┴論文という基本形式┴アウトラインをつくる┴出典を示す┴論文はどこで発表するのか┴プレゼンテーション┴説得力を増す方法┴5 共同で調べる┴研究資金はどうするのか┴一人ではなく,自分「たち」で調べるメリット┴あとがき┴参考文献・参考サイト

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

116
私の年代で言えば、梅棹さんの「知的生産の技術」や野口先生の中公新書などが定番でしたが、最近の技術の発展などからこのような本が出版されたのでしょう。最近の学生さんはパソコンやスマホで全て調べているような感じです。ただ2章にあるような様々な文献を調べていくというのが基本なのだという気がします。データが本当に信頼するに値するものなのかということも大事であると思います。2020/11/12

徒花

100
まあまあかな。タイトルのとおりで、なにか調べようと思ったときの「調べる技術」をまとめた一冊なんだけれども、想定している「調べる」のレベルがかなり高く、本や論文、報道記事を書く人に向けているような感じ。内容も超具体的で国会図書館を始めとした各種施設の利用方法からウェブ上のツール、取材の方法、メモの取り方、文献の探し方などがかなり細かく書かれている。読み物として別段おもしろいものではないけれども、しっかり調べ物をしたいときには役に立つ一冊かもしれない。2023/03/22

佐島楓

67
ネットを使った調査、フィールドワーク、資料の使い方など実践的な調査方法が書かれている。特にネットの活用法は大学生からインターネットのレクチャーを受けていない世代まで幅広く活用できると思う。得た知識をどういう文脈で加工していくかによって最終報告が変わっていくかという問題は、つねに気を付けなければならないと感じた。2020/11/09

壱萬参仟縁

30
市民による調査は、生活にとって必要なこと、社会にとって重要なことをやろうとします。具体的な解決策をめざします(7頁)。クリティカルリーディングの中心は、書かれたものの信頼度を意識するということ(88頁)。キーパーソンとは、調べたいことによって誰がキーパーソンかは変わってきます(104頁)。ノートの欠点は、持ち運びが不便だということです(112頁)。現代は、方眼ノートがあるのだが。アンケート調査で自由回答で書いてもらうようなものは、本来ではありません(134頁)。私はもっと統計を使わないといけない。2020/12/28

Nobuko Hashimoto

25
市民活動のための調査を想定した手引き書だが、大学教育や仕事での調査にも有効。語り口は柔らかいが相当高いレベルまで含まれている。論文、本、新聞記事、統計等の資料収集から、広く公開されていないが情報の宝庫である行政資料などにも目を向けている。現場に行って調べること(フィールドワーク)も重視。メモの取り方とまとめ方は例文もあり。集めた種々の情報の整理の仕方も具体的で丁寧。外国語文献を読むコツや、医療や環境など特殊な機械が必要な調査の方法まで紹介されている。例題もあって、このままテキストにできそう。おすすめ。2023/02/12

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