LAフード・ダイアリー

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LAフード・ダイアリー

  • 著者名:三浦哲哉【著】
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 講談社(2021/02発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065221341

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内容説明

LA(ロサンゼルス)に渡った映画研究者が、「食」を通して考えたアメリカ。
料理本批評エッセイ『食べたくなる本』で話題を呼んだ著者による、
ユニークな食生活エッセイ&体験的都市論。

「スロー対ファスト」とか「オーセンティック対リミックス」というような、
私自身これまで少なからず囚われてきた対立構図がある。
LAの食には、それを軽々と超える自由闊達な生命力があるようにも思えた。
「多様性」とは何か、それをいま、どう擁護しうるか。
こんにち最も切迫したこの問いに対する貴重なヒントを、
私はここでいくつも得ることになる。(本書「まえがき」より)

【目次】
なぜアメリカへ?
LAフリーウェイとIN-N-OUTバーガー
季節のない寿司
ゲリラ・タコス
カナダの自然食
ヴェニスのエキゾティシズム
ジョナサン・ゴールド
USC
「映画と牛の関係について」
LAの友人
記憶の襞
多様性と画一性

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

95
映画評論と食文化に詳しい著者のLA滞在記。日本料理は「水の料理」であり、自然環境によりもたらせる旬を楽しむ多様性があるが、LAの食事の多様性は社会環境によるという。亡きジョナサン・ゴールドの言う「千のレストランがあれば、そこには千通りの偉大さがある」を体感し、層状・モザイク状のLAフードのマッピングを行う。9章「映画と牛の関係について」が目から鱗。食肉産業とハリウッド建造と映画産業の関係性。この章だけでも読む価値がある。フィルムは牛の形見とは知りませんでした。11章「記憶の襞」で「味覚は記憶」と確かにね。2021/08/02

ゆのん

69
初読み。食べ物に関する小説やエッセイが大好きで読んでみた。様々な店を食べ歩きするのかと思いながら読み始めたところ、かなり真面目(?)な内容で良い意味でびっくり。特に『牛と映画』の箇所は3度読み返す程興味深かった。遠い異国の地で新鮮な季節の魚を恋しくなったようにこの先、アメリカで食べた味をどうしようもなく欲しくなる日が来るのかなぁと勝手に想像してしまう。昔に食べた味と想い出が繋がる事があって、また食べたいと願っても店がすでになくなっていたりで食べたくても食べれない事があると急に超絶食べたくなる。2021/05/23

Sam

42
9年間LAに住んでいたので題名からしてきっと懐かしいお店の話がたくさん出てくるんだろうと期待して読んでみた。1/3は期待通りで「懐かしい!」と思いながら読んだが、残りは実はアメリカにおける異文化体験や人間にとっての食文化が意味するものといった話であり、それはそれでなかなか興味深いのであった。著者は「結局のところ、LAの食は美味しいのか。然り、と言いたい」というが、私は「結局のところ、LAの食は美味しいのか。否、と言いたい」(笑)。ただしステーキだけは格別に美味しいことは言っておかないといけないけど。2021/06/21

ズー

14
私も一年ぐらい、東海岸に住んであれこれグルメを楽しんだので、なんだか懐かしい所があった。しかしやはり著者が言うように、LAはアメリカの別の場所とは別物。さらに色んな国が集結しているっていうのには納得。食以外にも色々な知識も得られて、とても面白かった。LAもサンフランシスコも行ったけど、1週間ぐらいだったので、どの店で食べたかもハッキリ覚えてないし、やはり住まないと分からないよなと思った。新婚旅行で初めてアメリカ行った時はご飯まずい!って思ったからね。2021/06/09

タイコウチ

13
映画批評・表象文化研究者としての著者のことは申し訳ないことにほとんど知らないのだが、料理本批評の前著『食べたくなる本』があまりに面白かったので手にとった。コロナ禍に至るまでの1年間のLA滞在中の食をめぐる思索。異文化体験記から始まり、最終的には、現代における食の「多様性」と「画一性」という政治経済的(階級的)な二項対立をどうときほぐしていくことができるのかという真摯な問いに至る。食事によって一人一人の人生に必然的に折り込まれていく「記憶の襞」という文化的な視点は、音楽の好みにも通じるところがありますね。2021/04/18

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