内容説明
BLM運動をきっかけに、日本でもアメリカの警察官に対して疑問の声が高まっています。
本書は、在米作家が日本とはまるで違う常識で動いているアメリカの警察の「生の姿」を徹底的にリポートします。
・連邦の警察と州の警察は何が違うのか?
・アメリカではお金を払えば警察官になれる?
・司法取引とは何か?
・映画によく出てくる「保安官」の役割は?
・警察官は本当に人種差別している?
など、多くの日本人が持つ疑問に答える形で、アメリカの警察、そしてアメリカ社会の実態を知ることができる一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
6
ディープ・ステートって具体的にはFBIなのね。FBIは反トランプじゃなくて、トランプは叩けば埃が出ちゃうのでややこしくなったようだ▲FBI以外の連邦警察組織≒国土保安省。新設された移民関税執行局(ICE)は、トランプが命じた不法入国者狩りにより悪目立ちする。成人の不法入国者は移民局の収容所へ移されるが、その子どもは保健局が扱うため別の場所で管理される。以下は私の思いつきだが、Qアノンが言う未成年者虐待つうのはこの未成年不法移民に関するアレコレに尾ひれがついたものでは? 2021/04/26
もだんたいむす
4
面白かったが、著者の思想が偏りすぎている。もう少し、中立に書いてほしい。2021/03/23
in medio tutissimus ibis.
3
自由を奉じるアメリカでは、個々に銃を持つように、自治体は各々の警察を持っている。その自律的な精神が隣人へのリスペクトや地域コミュニティへの積極的な参加による秩序を生み出す一方で、政府への不信や、自由に移動するよそ者や、異人種などの異なるコミュニティとの軋轢の種でもある。また、雇用のハードルの高さのバラツキと流動性の高さが、人材の質の偏在を生む。これらが相まって、貧困地域に集まる低質な警察官に過剰防衛的な心理を抱かせ「暴力的な」振る舞いを生み出す。トランプ嫌いでBML贔屓である以外では現実主義的な視点で一定2021/10/05
時雨
2
「アメリカの警察組織は、アメリカという『国のかたち』そのものだ。」(16頁);FBIに代表される米国の警察組織はドラマや小説でもよくその名前を見かけるが、連邦警察と自治体警察の関係についてはよく分からないままだった。本書では組織と人事のあり方を中心に、かの国の来し方と現状を在米作家が解説している。連邦レベルではFBIとDEAとATFが鼎立している。市町村警察があり、州警察があり、州によっては西部開拓時代以来の「保安官」が今も残っている。極端に分権化した組織構造が警察官の質の低下の一因だと著者は指摘する。2021/06/13
Sunekosuring
1
映画やドラマで保安官も市警もFBIもそれなりに知っているけど、どういう関係かはよくわかっていなかった。それぞれが独立した組織で、事件の範囲や規模によって各組織が柔軟に協働しあうというのは、うまくいけば理想的で小さな事件には小さく、大きな事件には力を合わせて専門性の高い捜査ができたりもするのだろう。ただ、それこそ映画やテレビで描かれるように組織間の軋轢で悪い方向に転がることもままあるのだろう。日本警察は極めて硬直した縦型組織だが、日本人には向いている。2021/09/03