創元推理文庫<br> 開化鉄道探偵

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創元推理文庫
開化鉄道探偵

  • 著者名:山本巧次【著】
  • 価格 ¥799(本体¥727)
  • 東京創元社(2021/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488439217

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内容説明

明治12年晩夏。鉄道局技手見習の小野寺乙松は、局長・井上勝の命を受け、元八丁堀同心の草壁賢吾を訪れる。「京都―大津間で鉄道を建設中だが、その逢坂山トンネルの工事現場で不審な事件が続発している。それを調査する探偵として雇いたい」という井上の依頼を伝え、面談の約束を取りつけるためだった。井上の熱意にほだされ、草壁は引き受けることに。逢坂山へ向かった小野寺たちだったが、到着早々、工事関係者の転落死の報が……。「このミステリーがすごい!2018」トップ10にランクインした、時代×鉄道ミステリの傑作。/【目次】第一章 最後の八丁堀/第二章 逢坂山/第三章 十四尺の洞門/第四章 鉄道嫌い/第五章 火薬樽/第六章 一触即発/第七章 特別臨時急行/第八章 大物登場/第九章 発破用意/第十章 トンネルを守れ/第十一章 一枚の切符/第十二章 ただ鐵(くろがね)の道を行く/あとがき/解説=香山二三郎

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

66
最初の数ページから作品世界にのめり込んでしまいました。タイトルから想像したのは新橋・横浜間鉄道。しかし舞台は京都・大津間の逢坂山トンネル。関西のファンには身近な存在です。鉄道技手見習の小野寺をワトソン役に、元八丁堀同心の草壁が名探偵として事件に挑みます。明治初期という時代を生かすストーリーが見事で、一気読みしました。抜群におもしろい! 特筆すべきは、実在の鉄道長官・井上勝、日本の鉄道の父。鉄道ファンなら肖像写真で顔もわかるだけに、二人の探偵を食ってしまうほどの存在感。豪快すぎる人柄が物語を飽きさせません。2021/02/18

ち~

35
文明開化の明治12年。活発に行われている鉄道事業のトンネル開通工事で、不審な事件が多発。鉄道局の依頼で、元やり手の八丁堀の同心・草壁と、技手見習い・小野寺が謎に挑む。御一新後の薩長の政権争いか?鉄道によって職を失う者達の妨害か?それとも…ホームズ・ワトソン的な2人も良かったし、時代背景が上手く活かされていた。後で気づいたら、前に読んで面白かった『軍艦探偵』の作家さんでした。他の作品も読んでみたいけど、まずは『開化鉄道探偵』の続編を読みたいです。2021/08/14

たま

32
明治12年、逢坂山トンネルの工事で事故が多発し、旧幕時代の同心が調査に招ばれる。元同心草壁は鉄道技手見習いの小野寺と現地に赴くが、新橋から横浜まで汽車、横浜から神戸まで蒸気船、神戸から京都まで汽車という旅程。逢坂山は京都と大津の間にあるが、現在のJRのルートとは異なり、旧トンネルの遺構は名神高速の蝉丸トンネル辺で見られるとのこと。蝉丸は時々通るので、次回通過時は目を見開いて遺構をチェックしたい。人物描写、風俗描写が地味でもう少しけれんみがほしいと感じたが、とてもまじめに書かれたミステリで好感した。2021/06/04

シキモリ

29
時は明治十二年、京都〜大津間を結ぶ逢坂山トンネル開通工事を巡る怪事件に臨むのは元八丁堀同心と見習い鉄道技士の異色コンビ。地味で淡白な作風ではあるが、読み易い文章とテンポの良い筋運びで思わず一気読み。興味を惹かれる設定だけに、欲を言えばもっと物語の奥行きが欲しかったが、著者の実直さが感じられる爽快な作品だった。探偵コンビの後ろ盾となる【日本の鉄道の父】こと井上勝のキャラクターが二人を食う程にパワフルで豪快。善良な人物揃いの脇役陣を少々物足りなく思うものの、日本人単独での鉄道開通に挑む先人達の姿が眩しい限り。2021/02/20

カープ青森

28
初読みの作家さんでしたが、面白かったー、イッキ読みでした。明治期の鉄道に日本の将来、夢を託し危険なトンネル工事に挑む熱き男たちを描き、更に謎解きが絡んできます。謎解きに挑むホームズ役の元八丁堀の草壁さんが実に渋くカッコよく、ワトソン役の小野寺の実直ぶりにも好感がもてます。ほかにも鉄道局長や先斗町上がりの女将や粋な職人親方や英国人運転士など魅力的キャラもいっぱい。巻頭の登場人物一覧や地図が大変役立った。サラリと読めて読後感も爽快。オススメ本です。2022/02/04

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