内容説明
著者は本書において,精神分析の最新の研究成果を臨床場面に実践応用するための技術論を展開する。壮大な仮説と検証のプロセスを辿ることにより,あらゆる心理療法に通底する「治療原理」へと接近することを目指した試みである。
「臨床家であること」とはどのようなことであるのか? 面接過程における「行き詰まり」と「治療機序」をめぐる思索,心理療法が有効にはたらく場とは? 一貫して臨床実践的に思考する姿勢によって,心理臨床家がその力を最大限に発揮するための技法的工夫が多くの事例を通して詳細に述べられている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろか
7
行き詰まりこそ、ということ。精神病圏の方とのお付き合いは少ないため、難しい内容も多かったが、極めて良本。繰り返し読みたいです。2024/04/29
yu
2
精神分析的心理療法において、どのような変化が生じるのかが鮮やかに示されている。事例も一つ一つが素晴らしかった。 低頻度面接のところで触れられていた、自我支持的なアプローチと分析的アプローチの違いについて、頻度と対応させた考察はわかりやすかった。自分も今まで悩ましく感じていることだったので、大変参考になった。2019/03/11
STEM読書会
1
心的交流の起こる場所という書籍を読んで,心的交流自体はどんな場所でも起こるのだと実感した。例え,それが否定的な恥というものであっても,無理やりでも起こってしまうのはなかなかに苦痛である。しかし,その苦痛を回避する方法や開き直る方法を教えてくれるのはありがたかった。恥の強制的な暴露による転落は社会的な現象とは異質であるからこそ,立ち直るための希望にもなるし,活力の源泉にもなりうることを再確認できた。2020/09/20
ちー
0
行き詰まりにて心的交流は起こる。 精神分析はどこかその行き詰まりをまず目指してるいるようにも思える。行き先は分からない。明確にしようとはたらきかけることもない。ただ、これまでの経緯と今ここに起こることを言葉にしていく。“解釈とは望遠鏡を手渡すこと”手渡す側が観えているわけでなければ、望遠鏡を覗くかどうかは本人次第ということか。2021/12/16
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