生き延びるためのアディクション - 嵐の後を生きる「彼女たち」へのソーシャルワーク

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生き延びるためのアディクション - 嵐の後を生きる「彼女たち」へのソーシャルワーク

  • 著者名:大嶋栄子
  • 価格 ¥3,410(本体¥3,100)
  • 金剛出版(2021/02発売)
  • ポイント 31pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784772417273

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内容説明

男性依存症者を中心に組み立てられてきたアディクション治療プログラムから排除されてきた女性たちが抱える「問題」は、決してアディクションだけではなかった。夫からの断続的な暴力、家庭の慢性的な貧困、そして社会から降りかかってくるスティグマ……「彼女たち」が次々に持ち込む難題は、援助者が研究・駆使してきた実践アプローチをことごとく覆していく。「なぜうまくいかないのか? 何が問題なのか?」――この難題を解決すべく研究と実践を繰り返すプロセスのなかで到達した脱医療的実践としての支援論は、女性依存症者に共通する四つの嗜癖行動パターンと三つの回復過程モデルを導き出す。そして主宰するNPO法人リカバリーにおいて試みられた「生活支援共同体」の実践は、失われた身体を彼女たちの許へ送り返し、これまで経験したことのなかった親密な関係を生み出していく。あまりに複雑な回復をたどる「彼女たち」、想像を絶する不自由を生きる「彼女たち」、ずっと救われてこなかった「彼女たち」……身体と生活を奪還する「彼女たち」と共に生き延びるためのソーシャルワーク実践論。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

73
なぜ彼女たちはそれほどまでに酒を飲むのだろうか?という問いから始まる女性の嗜癖問題。そこにあったのは、「自らの記憶を消し、過酷な現実からの一時的逃避という“目的”をもって、意図的にアルコール使用を選んでいた」という女性嗜癖者の実体。著者は、女性の嗜癖をジェンダーの視点から構造的問題として捉え直し、生活支援と相談支援から包括的に支援するフェミニストソーシャルワークを提示する。女性の嗜癖問題を性役割葛藤型、他者承認希求型、ライフモデル選択困難型、セクシュアリティ混乱型の4類型に分けて論じているのがユニーク。→2023/11/20

ネギっ子gen

52
本書の目的は2点。①女性の嗜癖問題を、ジェンダーという視点から構造的な問題として捉え直す。②女性の嗜癖問題を包括的に支援するためのソーシャルワークモデルとはどのようなものか、それを提示する。<回復とは単に「アルコールや薬物、ギャンブルや過食嘔吐などが止まる=症状がなくなる」ことではない。むしろ生き延びるためのアディクションが止まった後に、彼女たちは自分が抱え込まされてきた本質的な課題と向き合うことになる。したがって、包括的なソーシャルワークモデルとは、回復を促進するシステムの創造でもある>。ここが重要。⇒2022/12/25

ゆう。

27
依存症支援、とくに生活を支える社会福祉的視点からの支援のあり方を考えることができる。特にジェンダーの視点で、これまで遅れていた女性への支援に焦点をあてたのは勉強になった。2020/03/16

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