ラインズ - 線の文化史

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ラインズ - 線の文化史

  • 著者名:ティム・インゴルド/工藤晋
  • 価格 ¥2,530(本体¥2,300)
  • 左右社(2021/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 690pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784865281019

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内容説明

マリノフスキーからレヴィ=ストロースへと連なる、未開の地を探索する旧来の人類学のイメージを塗り替え、世界的な注目を集める人類学者インゴルドの代表作、待望の邦訳! マリノフスキーからレヴィ=ストロースへと連なる、未開の地を探索する旧来の人類学のイメージを塗り替え、世界的な注目を集める人類学者インゴルドの代表作、待望の邦訳!

目次

日本語版への序文
謝辞

序論
第一章 言語・音楽・表記法
第二章 軌跡・糸・表面
第三章 上に向かう・横断する・沿って進む
第四章 系譜的ライン
第五章 線描・記述・カリグラフィー
第六章 直線になったライン

人類学の詩的想像力 訳者あとがき(工藤晋)
さわやかな人類学へ 解説に代えて(管啓次郎)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nbhd

19
おもしろい本だったなあ。あらゆる営みは「線を引くこと」。そして、あらゆる線は<身体/経験>から離れていくことで直線になっていく。くねくねうねる徒歩旅行から、最短経路をとる輸送へ(空間のライン)。父だけでなく祖父との思い出もあるのに、家系図の表記は単線のみ(時間のライン)。身体運動の芸術としての書道から、印刷へ(行為のライン)。文化人類学の仕事をならべながら、「曲線的な前近代」と「直線的な近代以降」を対比させていく。書きっぷりはくねくねしてて読みにくいとこもあるけど、曲線びいきの著者だから、まぁしかたない。2017/04/12

内島菫

17
菅野修論の参考になればと思い読む。漫画はフリーハンドの曲線と道具を使った直線といった描線とトーンという既成品と文字の印刷物であるため、かなり中途半端な要素を持ってはいるが、完全にデジタルで描く場合はまた事情が異なるだろう。菅野がそうであったろう手描きの原稿は、それに基づいた複製が作品とされるので、手を入れた部分が刷られるエッチングに似ているが、エッチングは金属のような抵抗のある表面に切削を施すので、漫画原稿のように紙の上に付加物(インク)をのせていく工程とは異なる。2020/04/27

ハチアカデミー

17
「すべてが線になる」というより、「すべては線である」とでも言いたげな文化人類学者の線にまつわる考察。凄いのは多用な意味を付与されるラインを、あくまで表象として論じている点。一旦意味を剥奪し、線そのものを見つめることで、様々なアナロジーを見いだすことができる。記される言葉も、人が歩く軌跡も、地図も落書きもすべて線によって描かれるものであり、その記す、残す過程で何が起こっているのかを考察することに徹している。ラインの構造分析といえないことも無いが、むしろそれらの線を縒り集めることで人類の営みを考察する。良書。2014/09/30

Tenouji

14
命の躍動感を表現するものとしての線=ラインという視点で、人間の文化的な活動を観察した内容。編集としては面白い視点ではあるのだが、内容は比較的汎用。期待しすぎたかな…ペギオ氏の後だしね。2019/06/07

渡邊利道

7
なるほどこれも新しい人類学の一つか。「線(ライン)」をめぐる人間社会の文化史ということだが、この本そのものはまったく線的ではなく断片的・散逸的で、いうなればジグザグに進む。類似と相違、イメージと思弁、身体と道具といった概念を、歴史的・人類学的・文学的記述の群れからすくいとった、ちょうどジャムセッションで不意にあらわれる独創的なメロディーのように描いていく美文で、印象としてはバシュラールにもっとも近い感じ。読んだ後でまったく頭が良くなった感じがしないのも反時代的でなかなかよい。2017/11/01

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