内容説明
マリノフスキーからレヴィ=ストロースへと連なる、未開の地を探索する旧来の人類学のイメージを塗り替え、世界的な注目を集める人類学者インゴルドの代表作、待望の邦訳! マリノフスキーからレヴィ=ストロースへと連なる、未開の地を探索する旧来の人類学のイメージを塗り替え、世界的な注目を集める人類学者インゴルドの代表作、待望の邦訳!
目次
日本語版への序文
謝辞
序論
第一章 言語・音楽・表記法
第二章 軌跡・糸・表面
第三章 上に向かう・横断する・沿って進む
第四章 系譜的ライン
第五章 線描・記述・カリグラフィー
第六章 直線になったライン
人類学の詩的想像力 訳者あとがき(工藤晋)
さわやかな人類学へ 解説に代えて(管啓次郎)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nbhd
19
おもしろい本だったなあ。あらゆる営みは「線を引くこと」。そして、あらゆる線は<身体/経験>から離れていくことで直線になっていく。くねくねうねる徒歩旅行から、最短経路をとる輸送へ(空間のライン)。父だけでなく祖父との思い出もあるのに、家系図の表記は単線のみ(時間のライン)。身体運動の芸術としての書道から、印刷へ(行為のライン)。文化人類学の仕事をならべながら、「曲線的な前近代」と「直線的な近代以降」を対比させていく。書きっぷりはくねくねしてて読みにくいとこもあるけど、曲線びいきの著者だから、まぁしかたない。2017/04/12
内島菫
18
菅野修論の参考になればと思い読む。漫画はフリーハンドの曲線と道具を使った直線といった描線とトーンという既成品と文字の印刷物であるため、かなり中途半端な要素を持ってはいるが、完全にデジタルで描く場合はまた事情が異なるだろう。菅野がそうであったろう手描きの原稿は、それに基づいた複製が作品とされるので、手を入れた部分が刷られるエッチングに似ているが、エッチングは金属のような抵抗のある表面に切削を施すので、漫画原稿のように紙の上に付加物(インク)をのせていく工程とは異なる。2020/04/27
ハチアカデミー
17
「すべてが線になる」というより、「すべては線である」とでも言いたげな文化人類学者の線にまつわる考察。凄いのは多用な意味を付与されるラインを、あくまで表象として論じている点。一旦意味を剥奪し、線そのものを見つめることで、様々なアナロジーを見いだすことができる。記される言葉も、人が歩く軌跡も、地図も落書きもすべて線によって描かれるものであり、その記す、残す過程で何が起こっているのかを考察することに徹している。ラインの構造分析といえないことも無いが、むしろそれらの線を縒り集めることで人類の営みを考察する。良書。2014/09/30
Tenouji
14
命の躍動感を表現するものとしての線=ラインという視点で、人間の文化的な活動を観察した内容。編集としては面白い視点ではあるのだが、内容は比較的汎用。期待しすぎたかな…ペギオ氏の後だしね。2019/06/07
ポカホンタス
7
以前から気になっていた本。宮野真生子・磯野真穂『急に具合が悪くなる』で磯野先生がオススメしていたので読んでみた。とにかく、「線」の話。記述についてずっと興味を持ってきたが、記述物と楽譜の違いなんて考えたことがなかったし、糸は織り上げられて織物(テクスト)になり、手が動いた軌跡はそこに文字を書きつける。ガイドラインは平面を作るものであり、プロットラインは平面の上に展開されるものだ、など、発見的な言葉に溢れている。線(ライン)についての途方もなく清々しい記述に出会えたと思う。2019/11/06
-
- 電子書籍
- 永遠の契約【分冊】 2巻 ハーレクイン…
-
- 電子書籍
- バニラブvol.9 バニラブ
-
- 電子書籍
- 今夜は月が綺麗ですが、とりあえず死ね(…
-
- 電子書籍
- はるはなのみの 1 マーガレットコミッ…
-
- 和書
- 現代中国語版聊斎志異