アヒル命名会議

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アヒル命名会議

  • ISBN:9784309208145

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内容説明

神「お前、なんで生きとる?そんなことで次の天地創造までやっていけると思うのか?」ーー仕事、友だち、家族、恋人、性別、神様…新時代の自由を拓く稀代のアーティスト、待望の初小説集。後藤正文氏推薦

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

61
韓国人作家によるユーモラスで多彩な短篇集。物語の組み立て方がモロに好み。時間を忘れてとても楽しんだ。韓国文学とは言っても難易度は低めなので一般受けする良短篇集だと思う。インパクト大の『優しい暴力の時代』を先に読んでいたため少し物足りなくはあったが、こちらもブラックな味わいが舌先にちょっとした苦さを残す作品が多かった。収録作のなかでは『セックスとコメディ』が好き。韓国文学は出版される作品が多いけれど、取り敢えず河出書房のを買っておけば間違いない気がする(海外文学全般に言えるかも)。2020/11/26

seacalf

53
読み始めてから知ったが、作者はシンガーソンガーであり漫画家であり、多彩な活動をしている韓国の女性。前半はユニークでポップな話が続くので取っつきやすい。『いち、にの、さん』『手違いゾンビ』『後で来てください』『お前のすべての動きを認知せよ』『センセーショナル・ファッション』『キョンヒ台風』が好き。彼女ならではの瑞々しい感性と現代韓国が垣間見られるのが楽しい。YouTubeで見つけたイ・ランが日本語で歌う『IRA 10th anniversary』が映像共々楽しくほっこりさせてくれて読後感がさらに良くなった。2021/01/24

19
【「誰が見ても気を悪くしない映画よりは、あんたが見て気を悪くする映画でも作りたいもんだ」(P.162)】押し付けの性、上下関係、家族との距離…閉塞感を"皮肉る"短編集。ただ、エスプリで笑いきれないことも、誤魔化さず描かれている気がした▼「名誉アメリカ人ぐらいにはなれる」と豪語するマザコンアラサーとか、爽やかにセクハラしてくる映画業界の大物とか、存在が攻めてる(←褒めてない。でも筆者の人物造形はキレが凄い)。2021/04/01

ズー

18
好きすぎた。作家の言葉から訳者の言葉全部ひっくるめて、ここまで面白くて好きと思った本は初めてかも。「手違いゾンビ」は前にも他の本で読んだことがあって、出だしのコミカルな感じから、ラストが印象的で記憶に残っていたんだけど、こんなポップでスパイシーな話を書く人だったとは!やー一気にファンになりましたよ🥰2020/12/19

Rinarnation

14
好き、好き好き好き!今年読んだ本の中でもベスト5に入るくらい好き。13編全てに、作者の素敵な感性が爆発しているし、作者の心にある世界を垣間見た気がする。韓国だけではなく日本にも通ずる社会問題にも切り込んでいて、こんな考え方もあるのかと感じる場面も。作者は自分なりに世の中を矯めつ眇めつしているんだろうな、と。また、訳者が斎藤真理子さんだと、それだけで信頼感のある本という位置づけになる。「わたしは今聞いた」おすすめです。2020/12/12

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