内容説明
バルタン星人誕生の秘密を語る自伝エッセイ。
放送開始から50年を迎えた「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」、さらには「金曜日の妻たちへ」などの大人向けドラマまで、長年TBSのドラマを支えた監督・飯島敏宏の自伝エッセイです。
ウルトラマンのデザインはどのようにして決まったのか、スペシュウム光線のポーズはなぜ十字なのか、バルタン星人の名前に隠された意味など、番組の脚本・設定に関わった著者だからこそ知っている特撮の裏側を描きます。
また全て生放送だった時代のテレビ番組制作のエピソードも、貴重な写真と併せて紹介します。
テレビドラマの「青春時代」を、実際の制作者の目で描いた感動のエッセイ集です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
105
マンガの神様手塚治虫と特撮の神様円谷英二。20世紀後半の日本人の男の子は、この2人が生み出した文化に浸って成長した。その『ウルトラマン』に監督として参加した人の回想録となると、ほとんど神に付き従った天使の話を聞くかのような気分だ。あのスペシウム光線の発射ポーズがとっさに思いついたものなど、当時の現場が相当いい加減でその場しのぎの連続だったのには呆れる。今日のドラマ製作では考えられないが、若者が走りながら伝統を創っていったプロセスにワクワクさせられる。小うるさい官僚主義的管理のない時代に自分もいたかったな。2022/07/01
keroppi
87
ウルトラマンの時代は、それに関わった幾多のスタッフやキャストによって語られているが、この本は、TBSの演出家であり千束北男名で脚本も書いていた飯島敏宏によって綴られた回顧録である。何度も自分はウルトラマンマニアではないと書いているように、円谷の中にいたわけではなく、TBSからの助っ人としてウルトラマンに関わっている。それでもバルタン星人を生み出し、特撮ドラマ制作に喜びを感じている。CGではない手作り特撮ならではの魅力を語るところには頷いてしまう。未完成となったウルトラマン映画も見たかったなぁ。2022/06/16
ソングライン
13
昭和30年TBSにアルバイトとして入社した作者、ADとして経験する生放送のドラマ作成の苦労、円谷プロとの共同制作となるウルトラQに脚本家兼監督課として参加し、やがてウルトラマンの敵役バルタン星人を生み出していく過程を50年たった現在の作者が語ります。幼少年期リアルタイムにこのウルトラシリーズを見ていた私には感慨深い読書でした。2022/11/05
十二月の雀
9
俺はバルタン星人のことを何も知らなかった。2021/01/04
リンデ
9
「そのとき(自分の初演出作品が放映され、両親や店の職人さんたちにほめられた夜)です。『生涯、この人たち(母や職人である父、父の店の職人さんたち)にわからない作品は作らない」と改めて心に誓ったのは…。僕がつねに娯楽職人と自称する所以です」(88頁)「文は人なり」というが、まさに飯島敏宏監督そのもののような本だった。生い立ちから、テレビ草創期にかかわる自伝といっていいが、ダンディでとても優しくて、江戸っ子かたぎで、職人で…まさに、「ウルトラマン」が「正義の味方」なら飯島監督は「大衆の味方」です。2017/09/23
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