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内容説明
徳川家康の外交顧問、三浦按針とは何者か。関ヶ原合戦の半年前、英国人ウィリアム・アダムスが日本に辿り着いた背景には、大航海時代の激動する欧州事情があった。彼が見た戦国時代末期の日本では、カトリックのイエズス会がキリスト教の信仰を広げ、英蘭の東インド会社が貿易の機会をうかがうなど、スペイン、ポルトガル、イギリス、オランダ各国の思惑が交錯していた。家康の側近としてその渦中にあったアダムスは何をなしたのか。二代将軍・秀忠のもとで禁教と鎖国が進むなか、どんな晩年を送ったか。アダムスの生涯から世界史の中の日本史をとらえ直す。
目次
はじめに
第一章 十六世紀イギリスのアダムス
十六世紀イギリスの国際環境
戦争の予兆
故郷ジリンガム
アダムスの船大工修業
一触即発のイギリスとスペイン
スペイン無敵艦隊との戦いに参加
ステップニーでの新婚生活
バーバリ商会のアダムス
イギリス人のアジア進出
第二章 リーフデ号の悲惨な旅とアダムス
ハーゲン船団
出航準備で賑わうロッテルダム
五隻の船に乗組員約五百人
渡航の真の目的は「海賊」
海賊のスパイ戦
出帆
危険な計算ミス
カーボ・ヴェルデ諸島での食糧争奪戦
総司令官マヒュの死
リーフデ号への配置転換
留まるべきか、進むべきか
アンノボン島の占拠
餓えとの闘い
マゼラン海峡での越冬
嵐
南米マプチェ族の罠
マプチェ族の反乱
駆け引き
日本へ
第三章 イエズス会士とアダムス
太平洋横断
謎の軍艦が日本に与えた衝撃
イエズス会士の策略
「この船は海賊船である」
天下殿・家康
家康による直々の尋問
家康の洞察力
入牢
スペイン・ポルトガルへの深まる疑念
イエズス会士の落胆
イギリス船は海賊船の代名詞
涙の再会
出港の許可を求めて
造船への挑戦
水の上を歩く宣教師
イエズス会士による籠絡作戦
第四章 オランダ東インド会社とアダムス
オランダ人のアジア進出
スプリンケルからの手紙
三浦按針という名の由来
ヤン・ヨーステンと家康
オランダ船の到着
オランダ商館の設立
家康のめざした自由貿易
家康の不評を買うポルトガル人
スペイン船の漂着
オランダ人の動き
ポルトガル人の動き
スペイン人の動き
オランダ人のための仲介
スペイン大使との不和
江戸湾測量の意図
オランダ人舵手に託した手紙
日蘭関係への功績
第五章 イギリス東インド会社とアダムス
イギリス東インド会社への働きかけ
司令官セーリスの確信
セーリスとの不和
英国王からの書簡
北西航路探検への情熱
自由の獲得
セーリスとの決裂
訪れた帰国の機会
雇用条件の交渉
セーリスの帰国
第六章 江戸の国際摩擦とアダムス
イギリス商館への奉仕
琉球での波乱
那覇での騒動
家康からの召喚
国内で発生する国際衝突
シャムへの渡航と家康の死去
二代将軍秀忠の宣教師弾圧
貿易地制限令の衝撃
平戸でのトラブル
消えた家康の威光
忍耐
義理と人情の板挟み
アダムスの遺書
あとがき アダムスに出会う旅路
感想・レビュー
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Homo Rudolfensis
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nagoyan
コーデ21