内容説明
中東で起こった戦争をきっかけに世界各地で核爆弾が炸裂。 避難したシェルターの中で、母も父も、弱って死んでいった。 シェルターに一人残された少年。 そんな時に無線機が受信したか細い声。 少年たちはどうなったのか?(表題作) 卒園6年後に行われた幼稚園の同窓会、そういえばあの時……だんだん全員が思い出しはじめたあの子のこと。 (「六年目のクラス会」) 刊行当時に衝撃を呼んだ、那須正幹の名短編10編がよみがえる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スノーシェルター
16
久々の読書。「ズッコケ三人組」の作者が書いたもの。いろんなジャンルの短編で、とても楽しめた。想像や架空の話なのに、自分が体験しているような不思議な感覚になる。「The End of the World」なんて、リアルすぎて怖い。でもオススメ。2015/03/21
紫伊
16
作者が幼いころ大すきだった『ズッコケ三人組』の那須さんだと知り購入。様々なジャンルの作品の短編集どれも深い作品でした。表題作「ジ エンド オブ ザ ワールド」はこれからまさにこうなっていくのではないかと感じました。他の作品だと「たたら番小唄」と「約束」が印象深かったです。「たたら番小唄」はもののけ姫を想像しながら読み、ラストは心にずしんと来るものがありました。「約束」は柔らかい口調だからこそくるものがあり、これは他人事ではなく、自分にもあるのかもしれないと感じました。2015/02/11
みー
12
那須さんのズッコケシリーズを読んで大人になった人もいるのでは?こちらはそんなズッコケとは作風が一変している短編集。30年以上も前に書かれたというのに、現在、少しもどれも色褪せていない。それどころか、表題作に至っては、現在の社会情勢を見ると、あながち絵空事では済まされない恐怖がふつふつと沸いてくる。全体的に重苦しさを感じるものが多いが、それだけ読者の胸の奥に残るものが多い。2016/03/07
小木ハム
10
表紙の少年が印象的だったので購入。著者はあのズッコケ三人組の先生。核戦争後の世界を描く表題作や、理想の家族像と現実を叩きつけられる『田中さんのお嫁さん』、小学生の上下関係が社会の縮図として現れる『めだかはめだからしく』などなど、これ本当に児童向け?大人になってからふっと思い出す、モヤっと以上トラウマ未満の短編集。子供心に黒い点を打つのでは。2018/06/04
橘
9
児童文学もこのくらいシビアなの良いなぁ。面白かったです。子どもの世界もほのぼのだけではないので、それがちゃんと書かれるのはいいな。未読で生きてきたズッコケ三人組の作者さんのようです。シビアでも希望の持てるお話もあったり、ブラックなまま終わったり、様々でした。2023/09/14