講談社文庫 彼のこと

著者名：藤堂志津子【著】

講談社（2021/02発売）

• ISBN：9784062634540

内容説明

夫はなぜ消えたのか？　これは愛だったのだろうか？　真実の愛とは？　結婚２年、行方を消した彼の貌を妻、愛人、行きずりの女子高生が語る――あれは、愛だったのだろうか……。結婚２年で、夫はなぜ姿を消したのか……。１８３センチの長身でハンサム、優しくて記憶力にすぐれた彼。２０年来常連のスナックのおでんが好きで、仕事も家庭も順調だった彼の、真実の貌（かお）はどこにあるのか……。妻、愛人、ゆきずりの女子高生たちが語る、消えた彼の矛盾に満ちたさまざまな姿。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ちぃ]

行方不明の男性の調査。ありがちな1人の男性を複数の女性が口語で思い出話なんかを話すってパターンですが、文章が非常に読みやすくてよかったです。人を見下していると言われたり、愛していると言われたり、何も知られてなかったり…。自分の知っている誰かは、他の誰かにとっては嫌いな人間だったり、イメージが違ったりする。日頃から自分の感覚だけ信じているけど、やっぱり自分の好きな人は、他の人にもいい人だと思って欲しいなぁ…。

2015/06/09

[ムー]

中々か以外か面白かった。相原は最後まで自分の親は育ての親だと思っていたのか？何しろ貧困を嫌い勉強して金持ちになろう、そのために容姿端麗さを利用して逆玉を探していたということ。でも最後は本当ジィーンときたな。藤堂さん他も読んでみよう。

2016/09/17

[yasuuu]

本当に、『彼のこと』を、関わった女性たちに聞きながら進んでいく物語。 最後が気になっただけに、この結末はどのように自分の中で落としたらよいのだろうか？？？ 何だかスッキリしない………

2022/10/24

[misalyn]

失踪した男を追うライターが12人の女性から“彼”の過去を聞くという話。長身でハンサム・優しくてできた男だったはずの男が、12人の女性の前で様々な面を見せていて「あぁ、やっぱりね」と思う反面、自分と過去を美化した女性たちの言葉には食傷気味だった。　それにしてもこの終わり方では誰も幸せになれないな。

2014/05/04

[茶々子]

途中から嫌な予感はしたけど、「えっ終わり！？」というひと言。最後が曖昧で自分には合わなかった。人は色んな人に色んな面を見せて生きているよ、ってことが言いたいのかな。

2018/08/31