内容説明
日本の出版。その草創期にも転換期にも、彼らが関わってきた……。
「おもしろくてためになる!」「これを読めば大学に行かなくても偉くなれる!」
臆面もなく立身出世を説き、一代にして「雑誌王」に成り上がった初代清治。
勃興する帝国日本の大衆の心を鷲づかみにした印刷物は、やがて軍部との抜き差しならぬ関係のなかで変貌していく……。
そして敗戦後、総合出版社への転換をなしとげ、国民教育(ナショナル・エデュケイション)と出版による世界平和の夢を追いつづけた四代省一。
未公開資料を駆使し、近代出版百五十年を彩る多彩な人物群像のなかに野間家の人びとを位置づけた大河ノンフィクション!
目次
序 章 本郷界隈に交錯する夢
第一章 問題児、世にはばかる
第二章 『雄弁』創刊前夜
第三章 大逆事件から『講談倶楽部』へ
第四章 団子坂の奇跡
第五章 少年たちの王国
第六章 雑誌王の蹉跌
第七章 紙の戦争
第八章 戦時利得と戦争責任と
第九章 総合出版社への道
終 章 ふたたび歴史の海へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
28
講談社の歴史。売るために「衆愚ならぬ衆賢」に着目したラインには、息を飲んだ。戦時の踏み絵が過去の十字架となり、政府を先っぽの丸いペンで書くか、剣のようなペンで刺すかが決まる。少年たちは、どこへ消えたのか。そこは、異様に感じたり。2021/04/18
チェアー
4
講談社の歴史はまったく知らなかったので、とても興味深く読めた。これほど戦前から講談社の地位は高かったのか。 ただ、途中から野間省一讃歌になってしまい、つまらなく感じた。戦時中、軍部に擦り寄り、軍部と一体となって書籍を発行してきた戦争責任について、一定程度言及はあるが、戦後の記述は題名の「出版と権力」からは遠のいてしまった感がある。 現代に近づくにつれ、どんどんいいことばかりの記述になっていて、残念。 2021/05/05
Go Extreme
2
本郷界隈に交錯する夢 問題児、世にはばかる:父と子 博文館の時代 師範学校のヒーロー 『雄弁』創刊前夜:沖縄赴任 服部左衛との結婚 帝大書記と緑会弁論部 大逆事件から『講談倶楽部』へ:12人の死 あぶく銭と冬の時代 思想善導という活路 団子坂の奇跡:窮すれば通ず 東京堂・講談社枢軸の形成 人材雲のごとし 少年たちの王国;出版界の革命 君たちはこう生きよ 雑誌王の蹉跌:円本ブームと講談社 紙の戦争:書かれざる部分 戦時利得と戦争責任と:あれは国策協力だった 総合出版社への道:再生の模索 ふたたび歴史の海へ2021/04/08
onepei
2
「講談社と野間家の110年」とあるわりには戦前の話が多く、それはそれで興味深かったがちょっと期待外れでもあった2021/03/23
石橋
1
面白い。日本人の思想の変遷を講談社の経営方針から概観する感じ。冒頭、野間清治と同世代の出版人(岩波・正力・樗陰)の人生が明治40年の本郷近辺で交錯するくだりに興奮する。調べると下中彌三郎(平凡社)と佐藤義亮(新潮社)も野間と同い年だ。全員の伝記を読みたい。「日本思想界の独裁者」鈴木庫三の戦後における豹変ぶりが情けなくて、彼にも興味を持った。2022/08/27
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