内容説明
射殺許可法。犯罪ゼロの国家を目指すため、「日本国」国王によって制定されたものである。各都道府県に一名ずつ配置された者(トリガー)には拳銃所持が許され、悪と見なせば射殺することが認められている。婦女暴行、銀行強盗、連続幼女殺人など様々な悪事に引き金がひかれる。だが、ついにトリガーに復讐の刃が向けられる日が。――「正義」と「悪」の神髄を問う、近未来ハードアクション!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナルピーチ
131
それは新たに定められた法律“銃殺許可法”各都道府県に1名ずつ、計48人の合法的に悪人を裁く事が許された者たち。その名を“トリガー”と呼び、与えられた拳銃を手にして自身の真念によって計を執行していく…。さすがのコント師・板倉俊之。一つの題材からあらゆるパターンでネタを作っていくかのごとく物語を構築していく。それが総じて面白く、飽きることなく読むことができた。一話ずつの短編作品としても充分に楽しめるが、最後に繋げてくる事によって深みが増す。作家・板倉先生のデビュー作はエンタメ小説として完成度の高い一冊!2022/08/27
Junichi Yamaguchi
31
『タバコはやめたから』… 板倉さんデビュー作品。 トリガーという任務に従事する者、それぞれの物語。 個人的には、とても疾走感があり、楽しめた。 またいつか、彼に会いたい。 その時はカレーを極めていることを願って。。2020/05/20
よしぱん
30
★3 国家公認で悪人を射殺できるトリガー。そんなトリガー達や周辺を描いた連作短編集。トリガー制度もなかなか大変で、復讐されたり、気が狂れたり、恋人の親を殺してしまったり、何があっても殺さない信念を持ってたり、なりすまされたり、トリガーに息子を殺されて新トリガーになったり。物語はベタな部分もあれど、正義について熱い想いがひしひしと伝わる、インパルス板倉さんの著作。2023/04/20
きたさん
17
冒頭の、日本国の国王によって認定された者=トリガーに射殺許可が与えられている、という設定を読んだときには初期の山田悠介作品のようだなあと思ったのですが、もう数ページ読むうちにページをめくる手が止まらなくなり、結果として一気読み。基本構成は各トリガーのオムニバスエピソード集に近いものの、ミステリ仕立てや感動系、ノワールものなどいろいろな雰囲気の作品が混ざっていて、とにかく飽きない。特に世界観の構成の緻密さは作者ならではだな、と感心しました。2020/04/22
しほち
6
待望の文庫化! 元々読んでいたし、マンガも持ってるけど、この文庫には書き下ろしが追加されている。 久々読み返してみて、やっぱり面白かった。 人が人を裁くのは良いのか、暴力で犯罪を抑制するのは良いのかとか色々考えさせられる。 追加された書き下ろしは、モロに私好みの心が温まるお話だった。 読書メーターに記録し始めて、記念すべき100冊目が、この作品でとても嬉しい。 こんな作品を書く人のファンでいる自分が誇らしい👍️✨2020/03/29