羊は安らかに草を食み

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紙書籍版価格 ¥1,870
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羊は安らかに草を食み

  • 著者名:宇佐美まこと
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 祥伝社(2021/02発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784396636036

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内容説明

認知症を患い、日ごと記憶が失われゆく老女には、それでも消せない “秘密の絆” があった――

過去の断片が、まあさんを苦しめている。それまで理性で抑えつけていたものが溢れ出してきているのだ。彼女の心のつかえを取り除いてあげたい――
アイと富士子は、二十年来の友人・益恵を “最後の旅” に連れ出すことにした。それは、益恵がかつて暮らした土地を巡る旅。
大津、松山、五島列島……満州からの引揚者だった益恵は、いかにして敗戦の苛酷を生き延び、今日の平穏を得たのか。彼女が隠しつづけてきた秘密とは? 
旅の果て、益恵がこれまで見せたことのない感情を露わにした時、老女たちの運命は急転する――。
八十六年の人生を遡る最後の旅が、図らずも浮かび上がらせる壮絶な真実。
日本推理作家協会賞 『愚者の毒』 を超える、魂の戦慄!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

488
宇佐美 まことは、新作中心に読んでいる作家です。タイトルから、ほんわかした三老女終活の旅物語かと思いきや、戦争悲劇ミステリの秀作・感動作でした。少し気が早いですが、今年のBEST20候補、本日第164回直木賞が発表されましたが、次回の第165回直木賞受賞作で良いかも知れません。2021/01/20

nobby

372
生きる…それは今、自分にとって当たり前の日常だ。そこには過剰な怠惰も極端な苦難もなく、幸い適度な気楽がある。一方で、同じ国に暮らしながら、一世紀に満たず早く生まれた境遇だけで、それが生き延びるに変貌することに打ちひしがれる…自らの手で赤子に手をかける、時代を問わず起こる悲劇に何と事由の異なることか…日本人として知らねばならない史実がまた此処にある…多くを語らない認知症女性の生きてきた痕跡を辿る様と、彼女による俳句から思い起こされる回想が徐々に繋がる構成が素晴らしい。終章での作者ならではの伏線回収もお見事。2021/02/13

しんたろー

349
近作が好調な宇佐美さん新作は期待以上の面白さ…認知症・益恵の過去を巡る旅に連れ添う友人・アイと富士子、三人の話と、少女時代の益恵と親友・佳代の満州引き揚げの二人の話が交互に来る構成は、伏線も張ってあって巧妙。幼い時に祖父母から訊いた満州の「地獄」が、それ以上に凄惨な描写で暗澹たる気持ちにもなったが、友情や人情が温かく救い。賛否両論の最終章は私としては嫌いではなく、良い意味で「予想通り」の展開に満足した。4人の女性たちも丁寧に描き分けられていて(特に富士子が素敵)、女性の逞しさと哀しさに改めて脱帽した力作!2021/04/23

Makoto Yamamoto

347
シッカリした構成のいい本だった。八十過ぎのおばあちゃんが認知症に。 その夫が妻の事を思い、親しい友人二人にお願いごとを。 満州からの引き上げ時につらい経験をしたまあちゃん。 その生き様と俳句との繋がり、三人の友情素晴らしいと思う。 句が読まれた背景に心が痛む。2021/05/23

旅するランナー

324
読んでいる間、ずっと胸が締め付けられます。アイちゃんと富士ちゃんが、認知症の益恵さんを連れて、彼女の人生を遡る旅へ出ます。滋賀琵琶湖、愛媛松山、長崎佐世保、そして教会のある島へ、老女3人による記憶を辿る旅。そして彼女が残した俳句と、それにつながる満州での子供時代の凄絶な体験が平行して描かれます。筆舌に尽くしがたい辛酸を舐める引き揚げの道筋。自分が生き延びること、大事な者を生かすこと。宇佐美さん、よくぞ書いてくれました。この小説を読んだ後には、自分が安らかに生かされていることに感謝したくなります。2021/07/04

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