進化する里山資本主義

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進化する里山資本主義

  • ISBN:9784789017633

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内容説明

金銭的利益最優先の「マネー資本主義」のアンチテーゼとして、「里山資本主義」が提唱されてから7年。その実践者たちへの取材をもとに、各地で里山資本主義の種がまかれ、芽が出て、花が咲き始める様子を描きながら、そこにあった「成功要因」を明らかにする。お金に依存しすぎることなく、人と人のつながりを大切し、地域活性化を目指す人たちにとって不可欠なガイドであると同時に、日本と世界が進むべき道を明快に照らしだした1冊。

目次

第1章 「里山資本主義」の目指す世界(藻谷浩介)

第2章 周防大島が“里山資本主義のふるさと”と呼ばれる理由――20年間の地方再生ストーリー(Japan Times Satoyama推進コンソーシアム)

第3章 人と地域と事業をつなぐ「プラットフォーム」(NPO法人ETIC)

第4章 「ふるさと創生」から「地方創生」へ――自治体はどう変わったか(吉田雄人)

第5章 フロントランナーとして注目される実践者たち(村岡麻衣子)

第6章 対談:里山資本主義の新たな可能性(藻谷浩介×御立尚資)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

39
確実に進化している・・・実践例が増えているし、それが認知され始めているということだと思う。「地方創生」という驕り高ぶりの典型的言葉があるが、これ自体、視点が中央から見下すというもの。「地域」という言葉で、ものごとを考えるべきであると再認識。そこにあるもので、どう仕組みを考えるか。一時期流行った六次産業化も、単なる掛け算ではなくて、そこに人が介在していないと意味がない。机上の論理では何もうまくいかないのは、ここ20年ほどの政治で、痛いほどわかっている。2020/09/06

壱萬弐仟縁

28
里山資本主義とは、多様なものが共生し、循環再生が健全になされているような社会を支える経済思想。ヒト・モノ・カネ・情報が、使い潰されず、淀まずに、循環し再生され、次世代に続いていく社会を目指す主義(17-18頁)。新書を数年前に知ってはいたが、進化をどう遂げたか、里山改革の最前線事例を把握できる。大手電力会社の「原子力は安価」という計算は、廃炉費用を実態より大幅に低く見積もった上、使用済み核燃料および廃炉から出る汚染部材の超長期の冷却保管費用は外して行われている。2021/01/10

まゆまゆ

20
2013年に発刊された「里山資本主義」から7年。マネー資本主義のアンチテーゼとしてお金だけの循環でなく、エネルギーや食物、ヒトまでも循環による再生を目指すとされた里山資本主義は確実に浸透してきているのでは、と数々のエピソードで確認できる。都会の考え方に染まらないほうが世界を相手にすることができる。分業に染まった都会よりも、一人で二役三役こなさなければならない地方の方が確かに大変だが、むしろ協働する力を身につけることで、死ぬまで地域社会で生きていける。2021/05/24

たばかる

19
2章の政策変遷の抜粋:竹下のふるさと創生事業で地方交付金への依存体質作った後に小泉政権での地方改革における資金の削減&平成大合併⇒民主党の削減+安部の地方創生で地方はぼろぼろ。/本書と関係ないが、この手のものの感想だが、確かに成功している自治体もあるが、どちらかというとそれは稀有なほうでおおよそすべての自治体が盛り上がるのはムリ、所詮は人口の獲得競争では?なんて勘ぐってしまう。人同士のつながりよいう価値を残すといった伝統の持続を目的とするのもわかるが、だいぶこう目標が低い...。無論それしかない気もするが2022/03/07

てつJapan

18
【良かった】● 藻谷さん「監修」で、「著」ではありません。そのため、のめりこめる/こめないところの濃淡がありました。 ● 吉田雅人さんの、自治体はどうかわったかの章が面白かったです。サイクリングの町、尾道としていくため、自身で自転車に乗って検証した知事の話が印象に残った。 ● 自分事でとらえること。まずは自身で動くという当たり前のこと。内部でキャッシュを回す仕組みの大切さと、それができなかった石狩市の失敗。2021/06/14

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