内容説明
論語を短い物語にするユニークな手法で、80年以上読み継がれてきた超ロングセラーが、大幅に読み易くなってよみがえる。全ての現代人にとって座右の書となる論語入門の最高峰。解説=齋藤孝。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
21
論語の中のいくつかの短文・長文をまとめて一つの話に再構成するという少し変わったアプローチをした本。全て網羅しているわけではないが、ただ論語を読むよりも読みやすいように感じられた。著者が教育学の教授ということもあり文章が丁寧で孔子先生が門弟たちを啓蒙する様子が目に浮かぶようだった。解説にもあるけど、孔子は特に奇跡などを起こしているわけではなく、忠恕により物事に対処し、弟子たちの質問に答えている。確かに創作的に繋げているところもあるが、論語の内容をよく勉強できたので楽しく読めました。2021/10/24
るるこ
8
論語がストーリー仕立てになってて、すごく読みやすい! これなら、楽しく論語が読める! いい本に出会った…!2021/10/27
Aka
5
読み終わるのが惜しいくらい面白かった。最後の「泰山に立ちて」で孔子が語った内容は理解するのも難しかったけど、全体的にとても読みやすい。物語としても面白いし、論語の本文に即しているから勉強にもなる。孔子や高弟たちの人物像が浮かび上がってくる。子路、子貢、仲弓、冉求、顔回、顔淵、伯牛、宰予などの高弟たちは登場率が高く、それぞれ個性的で人間らしい所もよく描かれていて興味深い。論語に興味があるけど難しそう…という人にもぜひ読んでほしい。2025/03/28
たまりん
5
齋藤孝先生の本で知って読んでみました。昔の本だし論語なので難しくて読みにくいかな?と思っていましたが、とても読みやすく、小説形式で描かれているので頭に入りやすくてとてもいい本でした。特に「伯牛、病あり」所などが心に残り、中島敦の「弟子」も読んだことがあったので「病める孔子と子路」の後で子路があんなことになるんだと思うと辛くなりました。孔子は本当に当たり前すぎることを全て完璧にやってきたような感じの人なのでなかなか全てを学び得ることはできませんが、その中の少しだけでも論語を習得したいと思いました。2023/10/22
chaps_k
4
中国古典とは?論語!と思ったのだが、この物語形式があると知り手に取りました。まず書き下し文の記載があり、場面が始まるという流れ。孔子と弟子の想いと発言に著者の解釈が乗って展開されます。紀元前五百年頃にこの思想が成立して、脈々と語り継がれていることに感嘆します。中国古典に興味をもつ端緒としてこの本は正解だったと思う。2025/01/12