内容説明
妖精クロリスと西風の神ゼピュロス、春の女神フローラと愛の女神ウェヌス、三女神を矢で狙うクピードー、学知の神メルクリウス。これらの人物は何を意味しているのか? 何のために描かれたのか? 秘密の鍵をにぎるのは一枚のタロット・カード《恋人》。愛と詩情あふれるルネサンスの「知のコスモス」を豊かに描きだす快著!
目次
凡例
1. はじめに
2. 謎の扉をあける鍵─タロット《恋人》
ヘラクレスの選択
フィチーノ、そしてピレボスの審判
3. 《プリマヴェラ》の謎へ─ロレンツォの選択
シモネッタ
ルクレツィア
ふたつの森と夜明け
ロレンツォと二人の恋人
ゼピュロスとクロリス
メルクリウスと恩寵の三女神
小解説[豊岡愛美、原基晶、根占献一、C・ポンセ]
監修者あとがき[ヒロ・ヒライ]
訳者あとがき[豊岡愛美]
年表
参考文献一覧
索引
プロフィール
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すみの
17
ボッティチェリの名画『プリマヴェイラ』。作者が画に込めた意図をマルセイユ版タロット『恋人』のカードをヒントに謎解きしていく。人物配置、手の置き方、衣装、持ち物、植物…興味深かったです。そしてルネサンス期の芸術家に影響を与えた古代ギリシアの神学者、哲学者たち。監修のヒロ・ヒライ氏のあとがきにある異教の知識を持ち込んだ哲学者フイチーノを中心に、集まった知識人の創作の結晶として「知のコスモス」である『プリマヴェイラ』完成なのかと。今の季節・春に読めて良かったなと。2016/04/15
こぽぞう☆
15
ロレンツォ・イル・マニーフィコのために描かれた《プリマヴェラ》ボッティチェリによるこの絵の謎を、マルセイユ版タロットの「恋人」のカードやダンテの神曲などを手がかりに解いていく。ロレンツォ・イル・マニーフィコってソネットも遺しているんだ。2017/03/07
takakomama
3
マルセイユ版のタロットを手がかりにして、ダンテの「神曲」や賢人たちの著作、神話などを引用しながら、ボッティチェリの「プリマヴェラ」を読み解いていきます。真実はわかりませんが、興味深かったです。この絵画を依頼した、ロレンツィオ・イル・マニフィコは思いは・・・2023/05/30
Go Extreme
1
作品背景と歴史: ボッティチェリ ルネサンス メディチ家 フィレンツェ 哲学と象徴性: プラトン主義 フィチーノ ダンテ 神曲 ヘラクレスの選択 タロット: 恋人 選択 アモール 運命 主要な登場人物: ウェヌス フローラ ゼピュロス ルクレツィア 愛の神 美と調和: 自然の美 人間の美 身体表現 色彩象徴 黄金比 文化と社会的影響: 宮廷文化 人文主義 哲学と芸術 社会背景 政治的意図 視覚的構成: 構図 透視法 神話要素 隠された意味 象徴主義 意義: 知と愛 ルネサンス思想 美の探求 視覚芸術の影響2025/03/02
わかめスープ
1
論文用2023/11/21