なぜ外国語を身につけるのは難しいのか - 「バイリンガルを科学する」言語心理学

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なぜ外国語を身につけるのは難しいのか - 「バイリンガルを科学する」言語心理学

  • 著者名:森島泰則
  • 価格 ¥2,750(本体¥2,500)
  • 勁草書房(2021/02発売)
  • ポイント 25pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326299102

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内容説明

小学校での英語教育導入や企業の英語公用語化の動きに代表されるように、国際語としての英語への関心や必要性はますます高まっている。本書は英語を中心とした外国語の学習と使用を題材に、言語心理学にまつわる概念や現象を解説し、二つの言語を使うこと、つまりバイリンガリズムについて考えながら、言語と認知の関係を解き明かす。

目次

はじめに

序 章 バイリンガリズムと現代
 1 国際化とバイリンガリズム
 2 バイリンガルとは何か
 3 本書の目的

第一章 日本と世界の二言語・多言語使用事情
 1 多言語化する日本社会
 2 二言語・多言語使用の国や地域
 3 国際語としての英語
 4 日本人の英語能力

第二章 バイリンガリズム、第二言語の認知的メカニズム
 1 言語処理の仕組み
 2 バイリンガルの言語処理プロセス
 3 言語知識はどのように記憶されているのか──メンタル・レキシコンの話
 4 バイリンガル・レキシコン・モデル

第三章 一つの言語を使っているとき、もう一つの言語プロセスは停止しているのか
 1 バイリンガル・ストループ実験と視線計測実験
 2 使っていない言語の制御

第四章 外国語副作用──認知資源の配分と外国語使用
 1 認知システムとしての脳と記憶の仕組み
 2 認知資源とは
 3 L2言語処理と認知資源
 4 第二言語の方が合理的な判断ができる?

第五章 脳機能から見たバイリンガルの言語処理
 1 「脳の構造と機能」概論
 2 脳機能から見る言語
 3 FOXP2遺伝子
 4 モノリンガルとバイリンガルの脳機能の違い

第六章 なぜ外国語を身につけるのは難しいのか──言語の臨界期と外国語習得
 1 言語の臨界期
 2 発音の臨界期と赤ちゃんの音声知覚能力の発達
 3 母語と外国語の関係─対照分析仮説

第七章 外国語を話すと人が変わる?
 1 虹の色は何色か──使う言語によってものの見方が変わる?
 2 言語相対論とは──サピア=ウォーフ仮説
 3 カテゴリー知覚
 4 絶対方位感覚をもつ言語
 5 文法的性(ジェンダー)
 6 バイリンガルの場合

第八章 バイリンガルは頭がいい?
 1 バイリンガルと知的能力
 2 バイリンガルの優位性
 3 バイリンガルに負の効果はないのか
 4 小学校英語はプラスかマイナスか

おわりに
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nobu A

5
職場での書籍販売で購入した本。図書館で借りる時は無駄骨がないように出版年や著者を確認するが、信頼出来るところだったので何も見ず、タイトルに惹かれて手に取った。著者は何と現勤務先の心理学教授!内容的には取り立てて新しいことはなかったが、いい復習になった。英語の早期導入にも触れてあり、英語教育が不十分な教員や1クラス30名のクラスサイズの問題点を指摘する際、英語教育で高い評価を受けているICUでさえクラス規模は20名。それを洗練された教員がきめ細かい指導を行っていると何気にアピールしているところがいい。2016/03/11

DNK

0
認知資源の話が興味深かった。母語でない言語では文章の読解により多くの認知資源を割くため、文章の整合性判断や情動的な解釈をするところまで認知資源を回せず、母語のときと同じ意味の文章を読んでも異なる判断をする。確かに早期から本格的な外国語教育をするのは重要だけど、日本語力を落とした結果、何語でも深い思考ができなくなることは最も警戒すべきことだよな、と思った。「読める」と「無意識に読んで理解できる」の間には大きな隔たりがあることがわかった。2024/09/29

コバ

0
バイリンガルの認知や知能についてざっくりと紹介している。 第二外国語をネイティブのように身につけるのなら、やはり早期の学習が大事そうだ。2024/06/02

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