自衛隊海外派遣の起源

個数:1
紙書籍版価格
¥4,620
  • 電子書籍

自衛隊海外派遣の起源

  • 著者名:加藤博章
  • 価格 ¥4,620(本体¥4,200)
  • 勁草書房(2021/02発売)
  • ポイント 42pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326302925

ファイル: /

内容説明

自衛隊の海外派遣は1991年に初めて実現し、いまや当たり前の政策となっているが、それは突然出てきたものではない。終戦直後からさまざまな形で検討され、その議論の積み重ねが現在の政策の下地となっているのである。日本政府が何を達成し、どのような限界に直面してきたのか、資料を駆使して実証的に写しだす。

目次

序章 自衛隊海外派遣はどのように始まったのか
 1.問題意識
 2.先行研究の整理
 3.史料の扱い
 4.研究の視角
 5.本書の構成

第1章 アジア・太平洋戦争の終結と海外派兵禁止の固定化─1945‐1960年─
 はじめに
 1.自衛隊の創設と海外派兵禁止決議
 2.鳩山政権の安保改定交渉と海外派兵
 3.岸政権のレバノン監視団要員派遣問題と安保改定
 おわりに

第2章 冷戦変容期における役割の模索─1970年代,総合安全保障と日米安保の深化─
 はじめに
 1.池田政権期の政治情勢と青年海外協力隊の創設
 2.日本の外交・安全保障政策転換─久保構想と総合安全保障戦略
 3.新冷戦と日米防衛協力の深化
 おわりに

第3章 国際貢献意識の萌芽と人的貢献の模索─1980年代,インドシナ難民と国際緊急援助活動─
 はじめに
 1.インドシナ難民と国際貢献意識の芽生え
 2.カンボジア難民問題と国際緊急援助の開始
 3.国際緊急援助隊の発足
 おわりに

第4章 自衛隊海外派遣の模索─1987年,ペルシャ湾安全航行問題─
 はじめに
 1.イラン・イラク戦争と日米関係
 2.掃海艇派遣の模索と挫折
 3.ペルシャ湾安全航行問題の帰結
 おわりに

第5章 自衛隊海外派遣に向けた胎動─1990年,湾岸危機と日本─
 はじめに
 1.冷戦の終焉と日本の国内政治の変容
 2.湾岸危機に対する日本政府の支援策策定と米国の反応
 3.国連平和協力法の挫折
 おわりに

第6章 自衛隊海外派遣の開始─1991年,ペルシャ湾掃海艇派遣を中心に─
 はじめに
 1.湾岸戦争の勃発と追加支援決定
 2.掃海艇派遣案の浮上
 3.ペルシャ湾掃海艇派遣の実現
 おわりに

第7章 自衛隊海外派遣の拡大─1992年,PKO協力法の制定と国際緊急援助隊法改正─
 はじめに
 1.ペルシャ湾掃海艇派遣の成功と自衛隊海外派遣論議に対する影響
 2.自衛隊海外派遣の国際平和維持活動への拡大
 3.自衛隊海外派遣の国際緊急援助活動への拡大
 おわりに

終章 かくして,自衛隊は海外に派遣された

あとがき
主要参考文献
事項索引
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

rineoskiss

1
戦後からペルシャ湾掃海艇派遣まで。人的な国際貢献を模索する中で青年協力隊ができたりとか。派遣の議論が本格化するまで防衛庁は関与せず外務省が官の主だったり。掃海艇派遣の直接的契機としドイツの派遣があったりと知らないことだらけだった。2021/05/15

だいちゃん

0
印象的だった点をいくつか。 ・冷戦下の日本の安全保障政策における外務省の役割の大きさに驚いた。国際緊急援助隊法や国連平和活動法案など、外務省主導で国内法制定に動く姿は今からは想像がつかない。「総合安全保障戦略」をはじめ、軍事力抜きで安全保障を考えざるを得なかった当時の日本の苦しさを感じざるを得ない。 ・冷戦終盤になるまで、米国が自衛隊の海外派遣を求めたことはなかったのは意外であった。米国が日本に求めたのは、軍事基地としての価値と、自国防衛のための防衛費増額であった。 ・情報公開が研究にいかされていた2021/01/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16432020
  • ご注意事項

最近チェックした商品