内容説明
精神病患者の「治療の場所」=ゲールにおける家庭看護の歴史を再検討し、近未来の精神医療のあり方を探る好著!さらに、「日本のゲール」と紹介されてきた京都・洛北の岩倉を、国際的な視点から捉え直す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nranjen
3
図書館本。ベルギーの小さな街ゲールは、精神病の守護聖人聖ディンプナの街で、15世紀からすでに精神病患者を受け入れていた。治療は教会付属施設のみならず、周辺住民の里親制度を含む「家庭看護」によって行われていた。20世紀初頭には注目を集めたこの街の治療のあり方を、日本との関わりも含め論じている。フーコーの『狂気の歴史』にもこの街が触れられているそうだけれど、この街全体の主体的な治療への取り組みは明らかにされていないらしい。非常に興味深い本。google mapにはヘールとある。アントワープの近くの街。2021/03/07