ちくま学芸文庫<br> 武家文化と同朋衆 ──生活文化史論

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ちくま学芸文庫
武家文化と同朋衆 ──生活文化史論

  • 著者名:村井康彦【著者】
  • 価格 ¥1,485(本体¥1,350)
  • 筑摩書房(2021/02発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480510082

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内容説明

室町時代、足利将軍に仕え、将軍家のサロンにおいて、茶や華、香、室内装飾などを担当した同朋衆。目利きとして活躍した彼らは和歌、連歌、能楽など多くの芸能にも通じ、北山文化、応永・永享文化、東山文化の骨格を築いた。今に伝わる「日本らしさ」を生み出したアートディレクター的集団だったといえるだろう。彼らは能阿弥・芸阿弥・相阿弥など阿弥号を名乗っていたことから、仏教の宗派、時衆との関係が指摘されてきたが、時衆ではない同朋衆もいる。いったい彼らはどこから現れ、どのようにして文化の中心に立ったのか。同朋衆の実像に迫った類のない研究を文庫化。

目次

序論
天文文化論
二つの「一座建立」
第Ⅰ部 武家文化の構造
北山殿の唐物数奇
東山殿の芸術生活
同朋衆と阿弥衆
武家文化と同朋衆
付・世阿弥と能
佐渡の世阿弥
能と狂言
第Ⅱ部 座敷飾の世界
芸能空間としての書院
座敷飾の成立
『君台観左右帳記』と『御飾書』
第Ⅲ部 芸道論の成立
武家と遊楽
伝書の時代
中世芸道の成立と伝授
第Ⅳ部 生活の美意識
初期の京焼
京料理と生活文化
蓮月尼
補論 室町文化と同朋衆
あとがき
文庫版あとがき
初出一覧
解説 「場」と芸能の室町文化論(橋本雄)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

59
日本人の美意識を作り上げたと言っても過言ではない室町文化。その室町の文化を同朋衆や会所といった様々なキーワードを元に紐解いた一冊。正直本書を読むまでは世阿弥が佐渡に流されていた事さえ知らなかった自分のような人間にとっては、どこを読んでも目から鱗な奇術ばかり。教科書でも有名な北山文化と東山文化であるが、室町文化の本当の発展はその間にあった、とか座敷飾からの文化の発展。さらには京焼や料理といった京都の様々な文化について等、教えられる事ばかりで実に面白し。地味な印象のこの時期だが、やはり現代と地続きであるな。2021/08/09

MUNEKAZ

15
原著は1991年刊。時宗僧を起源とする「阿弥」号を持ち、足利将軍に近侍した「同朋衆」を研究した一冊。南北朝~室町期における「会所」の発展の中で、茶の湯や立花、作庭、唐物奉行など場の飾付をディレクションした同朋衆の存在が、日本文化史の中でもかなりの重要性を持つことを指摘している。また室町文化として思い浮かべる義満・義政の時期ではなく、その間の義持・義教期に高い評価を与えているのも印象に残った。現代人の思う日本らしさの源流が、室町時代にあることがよくわかる。2021/03/14

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