内容説明
知性を武器に向上心に駆られて生活をどんどん変えた結果、今はひどく寂しく不安なことになっている。人間とは何か。人間と自然はどういう関係にあるのか。われわれの日々の生活がどういうメカニズムを経て自然を変えるのか――。捕鯨や狩猟、エコロジーの実験、山、川、樹木、風景などについて思索する。極めて知的で創造的な、自然と人間に関する12の論考。第44回読売文学賞受賞作。
目次
I ぼくらの中の動物たち
ホモ・サピエンスの当惑
狩猟民の心
II ガラスの中の人間
III 旅の時間、冒険の時間
再び出発する者
IV 川について
風景について
地形について
再び川について
V いづれの山か天に近き
樹木論
あとがき
文庫版のあとがき