内容説明
奥さん、ようやく……ようやくですよ。
うれしーが、エッセイ3部作の3作目を書き上げました!
3年……いや、3年半以上です。2作目『ぬかよろこび』から。
順調にいけば、2019年には完結しているはずだったこのシリーズ、先生の筆がピタリと止まり、そこからは「書く気はあるんだよ」と言いながら、まったく書かないわけでございます。
装画の浅野恭司先生は、ご多忙の中、2019年1月に納品してくださったにもかかわらず、そこから2年もお待たせしたわけで……
もう“ひらあやまり”以外のなにものでもございません。申し訳ございません。
でもね、待った甲斐がありましたよ。
全10篇のこの作品、うれしーの人生哲学がぎゅっと詰まった名文のオンパレードでございます。
書けなくなった理由も分かります。
編集担当としましては「とうちゃんの財布」がいちばんのお気に入りではございますが、おすすめは? と聞かれれば、もちろんすべて。どのお話も、みなさまの心の琴線を震わすこと間違いなしです。
どうぞ、まずはお手に取ってみてください。
カリスマ・スタイリスト小松さんも推薦ですよ。3作、ぜんぶ推薦です。あ、そうそう、小松さんの「解説」ならぬ「感想」も収録です。
【もくじ】
其ノ壱 奈良を旅する
其ノ弐 サバイバルファミリー、それは、私たちの未来だった
其ノ参 ステイホーム
其ノ肆 62歳
其ノ伍 秘儀、自分で自分に命令する
其ノ陸 映画「もち」
其ノ漆 えだまめ
其ノ捌 ビスケット
其ノ玖 とうちゃんの財布
其ノ拾 白と茶
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本
81
Kindle。うれしーの文章は何故か読んでいて落ち着く不思議な文章。長年番組サイトで視聴者の投稿に返信していたからか心地よさがある。本作は3冊目となるエッセイ集。旅の話や身の回りの話など、どうでしょうの話は少なめ。還暦を過ぎて今後何をするのか。緩めに追っていきたい所。2023/02/01
安瀬内喬
3
嬉野先生のエッセイ。3作目。3作目から読んでしまった。 文は人なり。なんだか肩の力が抜けたり、涙したり。 「もち」は見なきゃ。2021/09/06
Shun
3
うれしー念願の「ただばたらき」。僕も小松さんの帯同様、奈良旅行の顛末がすごく好きです。ただ鹿せんべいをあげるという話をあんなにも緊迫感あふれる描写で描けるのはさすが嬉野先生。今回はステイホームもあって奥様の話がちょっと多めかな?若かりし時代の嬉野ご夫妻の写真があったのにはニヤッとしたが、わりと最近奥様にたいへんなことが起こっていたことを初めて知ってそこだけは衝撃でした。2021/02/04
AMOROS
2
こんな年の取り方をしたい。エッセー2021/06/26
rubbersoul
1
「そんな話を聞くと、この世界には、自分がその存在を知らないときから、自分を待っている存在があるように思えてくる。だから人間は、自分を待っている存在の在り処へ、どこまでもたどり着いていこうとするべきなのかもしれない。だが、たどり着くためには、彼のように辛抱強く、どこまでも流れていく以外には方法はないのだと、改めて教えられるようで、彼のたどってゆく人生の話を聞いているうちに、私には生きてゆくことの甲斐がそこに見えてくるようで嬉しくなる」2021/02/24