- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
「明日死ぬとして、やり残したことはないか」?そう問われて戸惑わない人はいないだろう。だが84歳の著者は自信をもって「ない」と言えるし、死という未知なる体験が楽しみですらあるという。どうすれば、そんな境地に達することができるのか? 本書では著者が日頃から実践し、明日死ぬと言われても穏やかに受け止められるという44のレッスンを初披露。自らの死について考えることは、よりよく生きることにつながる、と納得できる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこ
104
著者は元NHKのトップアナウンサーで文筆家の下重暁子さん現在89歳。自分のやりたいことがどれだけできたかで幸不幸は決まると言い切ります。文章の行間からとても意思のハッキリした方なのが感じ取れました。本書を執筆時も84歳。死という未知の体験を楽しみにしている…。すごいなぁ。それと自分がどんな時にイライラし、どんな時に感情的になり自分を失うのか全てを知り自分を慈しんでやることが大切とも。私はまだまだその域には程遠いなぁ。メメントモリはラテン語で「死を想え死を憶え」との意。それは生きることに向き合えと感じました2025/06/25
けぴ
43
下重さんの著書は何冊か読んでいる。いつものことながら、自分の意見がしっかりしている。個人主義的でまわりに流されない。今回のテーマについては、明日死んでもいいと思うためには日々の生活を充実させて過ごすということが 大事と述べられている。当たり前のようでありながら、何らかの言い訳をして無為に過ごしてしまうこともあるので、心にとめておきたい。2024/09/08
アルピニア
40
「人は生きてきたように死んでいく」このことばが全てを表しているように感じた。日頃から死を身近に感じ、死への覚悟を持ち、今日を良く生きることが、「明日死んでもいい」につながる。44のレッスンは大きく2つ「良く生きるため」のものと「その日に向けての準備」に分けられる。その日に向けての準備では、すぐに実行したいことがいくつかあった。例えば「死に装束を決めておく」「会いたい人に会っておく」「自分の死を知らせる連絡リストを作る」「尊厳死について意思を残す」これからでも良く生き、穏やかにその時を迎えたいと思う。2025/08/01
いーたん
29
著者は御歳84であらされる。病弱だった幼少期、親しい知人が突然亡くなる等の経験を重ねた、諦めではない、死との向き合い方。明日死んでもいいと思えることは、いかに今日一日をしっかり生きるかということ。そのためには、幾つになっても、年齢を意識して生きるのではなく、社会における「個」を自覚して生きることが必要だと。自分の死のイメージを作る、とはなるほどと思う。44ある最後のレッスンの、死ぬ時は死ぬがよろし、という良寛さんの言葉は、死に近付く一歩には違いなくても明日もがんばろうと思えた。死に方は生き方なんですもの。2021/07/11
Cinejazz
17
〝死は生の延長線上にあり、生の終着点なのだから、死の瞬間だけ素晴らしくありたいと願っても無理というものだろう。ただ淡々と昨日と同じ歩みを進めて今日があり、明日がある...明日死んでもいいためには、今日しっかりと生きておかなければならない。思い病床にあろうと、健康であろうと、明日をも知れぬ命であることに変わりはない...明日死んでもいいということは、今をいかに生きるかという自分自身への問いである〟・・・「お迎え」を穏やかに受け止められるために、著者が実践する〝諦観の書〟。2023/03/07