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内容説明
「明日死ぬとして、やり残したことはないか」?そう問われて戸惑わない人はいないだろう。だが84歳の著者は自信をもって「ない」と言えるし、死という未知なる体験が楽しみですらあるという。どうすれば、そんな境地に達することができるのか? 本書では著者が日頃から実践し、明日死ぬと言われても穏やかに受け止められるという44のレッスンを初披露。自らの死について考えることは、よりよく生きることにつながる、と納得できる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いーたん
28
著者は御歳84であらされる。病弱だった幼少期、親しい知人が突然亡くなる等の経験を重ねた、諦めではない、死との向き合い方。明日死んでもいいと思えることは、いかに今日一日をしっかり生きるかということ。そのためには、幾つになっても、年齢を意識して生きるのではなく、社会における「個」を自覚して生きることが必要だと。自分の死のイメージを作る、とはなるほどと思う。44ある最後のレッスンの、死ぬ時は死ぬがよろし、という良寛さんの言葉は、死に近付く一歩には違いなくても明日もがんばろうと思えた。死に方は生き方なんですもの。2021/07/11
Cinejazz
15
〝死は生の延長線上にあり、生の終着点なのだから、死の瞬間だけ素晴らしくありたいと願っても無理というものだろう。ただ淡々と昨日と同じ歩みを進めて今日があり、明日がある...明日死んでもいいためには、今日しっかりと生きておかなければならない。思い病床にあろうと、健康であろうと、明日をも知れぬ命であることに変わりはない...明日死んでもいいということは、今をいかに生きるかという自分自身への問いである〟・・・「お迎え」を穏やかに受け止められるために、著者が実践する〝諦観の書〟。2023/03/07
miyumo
15
毎朝ベッドの中でその日やることを決める。睡眠は毎日たっぷりとる。お金は残さず使い切る。明日死ぬかもしれないからこそ、今日を楽しむ。本当に好きなものに囲まれる。定期的に山にこもって自然に反る。心を遊ばせるために散歩する。自分の死のイメージを作る。ストレスを溜めない。何気ない日常の大切さを知る。自分の死を知らせる連絡リストを作る。自己表現を最後までする。死ぬ時は死ぬがよろし。などなど、期待していなかった分、心に止まった内容が多くありました。死を意識することが今日の生き方をより意識させてくれるのですね。2022/01/08
templecity
13
余命というものや昔からの著名人が徐々に亡くなっているのを見るにつけ、死というものを意識することも増えてきたような気がするが、著者のように、毎日が始まりであるように前向きに生きていくことが大切だということが良くわかる。 2021/10/20
けろ
10
達観しているというか、諦観のある人である。よく高齢者が寝る前に、明朝自分は死んでいるのではないかと不安になり、そして目覚めてから、ああ生きていたと思うと言うが、筆者のように悔いなく過ごしていれば、寝ているうちに亡くなるのなら理想的ではないだろうか。2021/04/11