ハヤカワ文庫NV<br> 燃える川

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ハヤカワ文庫NV
燃える川

  • ISBN:9784150414764

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内容説明

自然と本を愛する親友同士の大学生ジャックとウィンは、カナダの北部をカヌーでのんびり旅していたが、山火事が起きて計画の変更を余儀なくされる。そして霧の中で激しく口論する男女の声を耳にした翌日、怪我を負った女性を保護したふたりは、大自然のなか、生き延びるために闘うことになる。迫真のサスペンス。エドガー賞最優秀長篇賞ノミネート作

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のぶ

89
大自然の怖さと雄大さがよく表現されている作品だった。親友同士の大学生ウィンとジャックは、カナダの原野でカヌー旅行に出かけた。最初はのんびりした旅だったが、山火事が起きて状況が一変する。そんな状況の中、霧の中で激しく口論する男女の声を耳にする。その翌日不審な男が現れ、妻が消えたと語る。押し迫る山火事の中で、二人はそちらの対応にも追われることになる。この本の魅力は自然の描写。特に山火事が迫ってくる状況は、映画を観ているような凄さがあった。不審な男とのサスペンスも読ませるが、自分はサバイバルの方を楽しんだ。2021/03/22

パトラッシュ

66
山岳冒険小説の分野ではバグリイ、マクリーン、トレヴェニアンらの傑作が高峰をなしている。彼らと比べられる後発作家はどうしても不利だが、残念ながら本書も遠く及ばなかった。山火事から逃げるカヌーイストというアイデアは斬新だが、彼らが巻き込まれる事件が実に陳腐で面白くない。炎や急流など苛酷な大自然の脅威も、もっと激しく見せつけられたのではないか。人間の邪悪さを見せつける陰謀から脱出するドラマもなく、主人公の個人的な問題に終わってしまう。作者は著名なアウトドアライターらしいが、小説の書き手としては力不足は否めない。2021/05/23

ヘラジカ

60
ジェイムズ・ディッキーの『救い出される』を思い起こすあらすじに惹かれて購入した。期待通り、オマージュと言っても良いほどにコンセプトが似た作品である。大自然を満喫する穏やかな冒険が、凄まじい山火事と、とある「出会い」によって地獄の逃避行へと化す。前半は釣りやカヌーに関するアウトドアの描写が多く些か冗長にも感じられたが、後半はサスペンスとサバイバルのヒリヒリするような感覚を大いに楽しんだ。結末はやや消化不良の感があったものの、過酷な自然、じわりじわりと近づく業火と不信感の表現は見事。満足の佳作。2021/01/22

ぽろん

33
森林火災に遭遇した二人の大学生。もう少し、ハードボイルド的な物語を想像していたのだけど、なかなか重厚で、リアルな描写で、ついていくのが、きつかった。2021/03/20

本木英朗

29
アメリカの現代ミステリ作家のひとりである、ピーター・ヘラの作品のひとつである。もちろん俺は、今回が初めてだ。親友同士の大学生ウィンとジャックは、カナダ北東部にカヌーの旅に出た。しかし、キャンプしながら釣りを楽しむ日々は、山火事で一変する。深い霧の向こうで激しく口論するカップルに山火事を警告しようと近づいた二人は、男女を見つけられずに終わる。だがその翌日、不審な男が現れ、妻が消えたと語る。男は霧の中の男女の片割れなのか。もしそうなら、妻は無事なのだろうか?という話だ。今回は俺でもわかったけれど、(→)2021/10/10

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