本格ミステリ<br> 少女ティック 下弦の月は謎を照らす

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本格ミステリ
少女ティック 下弦の月は謎を照らす

  • 著者名:千澤のり子
  • 価格 ¥1,188(本体¥1,080)
  • 行舟文化(2021/01発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784909735058

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内容説明

童話みたいなミステリ。瑠奈が善良な女の子で、描かれる日常があまりにも健全すぎるので、酷い事件があたかも童話のように読めてしまう。勿論これは作者の企みなんだけれど、この童話テイストが何か愛おしい。
―― 作家 新井素子さん推薦!

目的不明の誘拐、女性ばかりの奇妙な町、
運動会に現われる死神、そして不審な凍死体……

ミステリ作家にして評論家でもある才媛が贈る
異色のガール・ミーツ・ミステリ!

ごく普通の小学生だったはずの片瀬瑠奈。ところが五年生に進級したばかりの春、彼女は老女に扮した謎の人物に連れ去られ、暗い部屋に監禁されてしまう。果たして犯人の正体とその目的は何か。そして、監禁場所はいったいどこなのか。瑠奈が連絡を取れる外部の人間は、携帯ゲームのすれ違い通信で出会った顔も知らない「フレンド」たちだけ。しかし、彼女はゲーム内でも何者かによって閉じ込められ……。「第一話 少女探偵の脱出劇」

保育園で毎日一緒に遊んでいた友達に久しぶりに会いたいと、古いはがきの消印を頼りにその引っ越し先を訪れた瑠奈。初めてのひとり旅を夏休みの自由研究にしてしまおうと意気込む瑠奈だったが、そこは出会う大人が女性ばかりの奇妙な町だった。「第二話 少女探偵の自由研究」

運動会直前の九月末、瑠奈は一年生の男の子から突如、「命を狙われている」と警告を受けた。女子トイレ内で死神が瑠奈のことを話していたという。心当たりなく困惑する瑠奈に対し、友達のくるみまで「この学校には死神がいる」と言い出して……。「第三話 少女探偵の運動会」

スマホ専用のアプリゲームのイベントのため、真冬の朝の公園に繰り出した瑠奈は、その近くにゲーマーを招き寄せるように旗が立てられた祠のあることに気づく。一方、祠のすぐ側に建つ古いアパートの一室で女性の凍死体が発見された。しかも、その部屋にいた不審な女性の姿を、瑠奈の兄が写真に収めていたという。「第四話 少女探偵と凍死体」

春夏秋冬、季節が巡るごとに巻き起こる事件を通じて、少女は一歩ずつ成長していく――。

目次

春 第一話 少女探偵の脱出劇
夏 第二話 少女探偵の自由研究
秋 第三話 少女探偵の運動会
冬 第四話 少女探偵と凍死体
エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うまる

37
少女探偵の季節毎のミステリ。小学生が主人公だし、表紙がほんわかしてるから、かわいい感じの日常系かなと思ったら大間違い!真相が重くて驚きました。というか秋の話は若干引きました。なるほど、そりゃ子供の話なのにポプラとかで出ない訳だ。 第一話で、何で監禁場所から出られなったのかわからんと思っていましたが、エピローグで回収って事なのかな。しかしまぁ、こんなオチだと作中に齟齬があろうが意味不明な展開があろうが、何でも可能になってしまうけど…。何とも言えない読後感。2022/03/03

ミーナ

13
スイミングスクールに通いゲーム好き。小学生女子 瑠奈が巻き込まれる4つの事件― 子供の頃の私の神だった新井素子さんの惹句をきっかけに。大学生のお兄ちゃんがいて、しかもそのお友達のイケメンとなかよくなるなんて、なんと女子心をくすぐる設定! しかしかわいらしいのになかなかハード。特に運動会の話。欲を言えば、エピローグはもっと違う形がよかったな…。 それにしても近頃の小学生女子はこんなにしっかりしていておしゃれで大人なのだろうか。2021/08/04

engidaruma2006

10
小学五年の女の子が様々な事件に巻き込まれる連作短編集。・・・なのだが、全四話とも何だかモヤモヤする短編で、解決はするけど着地点がおぼつかないというか、不思議な気持ちで読んでいたが、エピローグでやっと納得がいった。一種のサプライズ・エンディングではあるが、「やられた」というより「ふ~ん」という感じ。まあ、ミステリに真っ先にこのアイデアを取り入れた点は評価したい。今後、こういう手法の作品が増えていくのかな? 個人的にはあまり増えて欲しくないなあ。2021/04/13

コチ吉

9
どの話も何となくぎこちなく、すんなり入って来ない。結果的に読み飛ばしたようになってしまって、最後までよく分からないで終わってしまった。再読する気にはならない。この著者は二階堂黎人との共作を読んでいたが、内容も忘れてしまった。2021/02/22

らきむぼん

6
少女が一年を通して出会う四つの事件を描く連作ミステリ。主人公が小学生高学年だからこそ子供らしさと大人らしさとのちょうど中間で色んな感情に一喜一憂する雰囲気が感じられる。それが形容し難いノスタルジーにも繋がる。「酷い事件があたかも童話のように読めてしまう」というのが確かに今作の特徴だと思う。かつて少年や少女だった読み手の現実と、作中の日常が地続きで、その日常の現実味が非日常的な事件に対して虚構味を差す。「これは本格ミステリならこう読む」という文脈を読むミステリファンのそれと相似している。2021/03/06

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