内容説明
ポル・ポト大虐殺の事実を現地取材で確認、虐殺した側の人間の深層にも迫る衝撃の記録。大虐殺の真実を追求した衝撃のレポート――世界で最初にポル・ポト軍の大虐殺を確認! 難民の話はほんとうだった。到る所に虐殺現場があった。実際に目の前で発掘してもらった穴からは、痛ましい白骨の山が現われた……。カンボジア人がカンボジア人を大量虐殺した事実を、みずから各地で直接取材と遺体発掘で確認して世界に先がけて報道し、さらに虐殺する人間の深層に迫った衝撃の書。ポル・ポト政権(1975~79年)の大虐殺をいちはやく現地で取材して、写真と文とでその事実を明らかにし、虐殺したポル・ポト派幹部の証言も得て迫る衝撃のレポート。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソフィア
12
ポル・ポト政権崩壊すぐのカンボジアを訪れ、写真撮影とインタビューを試みた筆者を尊敬する。写真は真実を伝えるとは限らない。しかし、本作の場合、写真は過酷で悲惨な状況下に置かれたカンボジアの事実を補強するものになっている。当時の状況を日本語で知ることができる貴重な資料だろう。筆者は他国も訪れているようなので、別作品も読んでみたい。2024/04/07
鬼束
8
ガス室を用いた事務的な殺戮、それはそれで憂うべき殺戮であるが、やはり最も人間が醜悪になるのは自らの手で人間を屠り、そこにある種の快楽すら覚える、そんな状況だと思う。そのような殺戮が行われたのがヒトラーの蛮行よりも後の時代であり、それも自国民に対してというのは信じ難い。生き残った人々へのインタビュー中心で事の悲惨さはわかったが、逆にポルポトという男が何を考えて、この様な野蛮に至ったのか、そして、何故このような浅はかな男の思想に人々は追従したのか。腑に落ちないというか理解できない部分が多すぎる。2015/10/06
wei xian tiang
1
1980年初版。当時は日本の報道、言論界でもポルポト派による虐殺の事実を否定したり、「理想社会を建設する過程での行き過ぎ」と正当化したりする意見が多く、著者への中傷も酷かったという点に慄然とする。世間の多数意見やマスコミの言うことが正しい保証なんてものは常に全くない。日本の大新聞は文革さえ一時褒めそやしていたのだ。2016/07/17
sasha
0
国が変わろうと恐怖政治がもたらすものは変わらない。些細な理由での虐殺は、歴史の1幕として覚えておかなければいけない。2010/10/18
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