角川文庫<br> 私の頭が正常であったなら

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角川文庫
私の頭が正常であったなら

  • 著者名:山白朝子【著者】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • KADOKAWA(2021/01発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041109045

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内容説明

最近部屋で、おかしなものを見るようになった夫婦。妻は彼らの視界に入り込むそれを「幽霊ではないか」と考え、考察し始める。なぜ自分たちなのか、幽霊はどこにとりついているのか、理系の妻とともに謎を追い始めた主人公は、思わぬ真相に辿りつく。その真相は、おそろしく哀しい反面、子どもを失って日が浅い彼らにとって救いをもたらすものだった――「世界で一番、みじかい小説」。その他、表題作の「私の頭が正常であったなら」や、「トランシーバー」「首なし鶏、夜をゆく」「酩酊SF」など全8篇。それぞれ何かを失った主人公たちが、この世ならざるものとの出会いや交流を通じて、日常から少しずつずれていく……。そのままこちらに帰ってこられなくなる者や、新たな日常に幸せを感じる者、哀しみを受け止め乗り越えていく者など、彼らの視点を通じて様々な悲哀が描かれる、おそろしくも美しい”喪失”の物語。【解説:宮部みゆき】

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アッシュ姉

86
喪失感が色濃く、深い悲しみが漂うなか、じんわりと温かさが残る短編集。待望の文庫化で久しぶりの世界観を堪能。印象的なタイトルが並ぶなか、後半の四編がお気に入り。最後を飾る走馬灯の着想には感嘆。やっぱり山白朝子さんが一番好きだな。どんどん書いて欲しいし、耳彦にもまた会いたい。2021/06/25

カフカ

62
山白朝子節全開の短篇集。まず「私の頭が正常であったなら」というタイトルが素晴らしい。すべての短篇で人が亡くなり、悲惨な物語ばかりなのだけど、ただ悲しいばかりではなく切なさや温かみを感じた。特に「首なし鶏、夜をゆく」、「私の頭が正常であったなら」、「おやすみさい子どもたち」がお気に入り。でも本当、どれも面白くて、読後胸がいっぱいになった。あぁ朝子様、一生ついていきます……。2023/07/08

坂城 弥生

54
不思議で、悲しくてどこかに希望がある話しの多い短編集でした。2021/04/13

優希

52
日常と非日常の狭間に入り込んだようで、怖さを味わいました。恐ろしく美しい短編集だと思います。2021/10/25

momi

49
この作品はホラーとひとくくりにすることが勿体ない作品で「喪失」をテーマに描かれていて、とても切なく雰囲気ある作品です!!他人を責め、自分を責め、失った人を責める思い…その感情を受け入れることは難しいことで…そこから生まれてくる感情が自分の中に狂気を呼びこんでしまう…その結果…生まれてくるもの…。恐ろしいけれど切ない物語!!とても良かったです◎ 2021/01/28

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