内容説明
あなたは、「世間」を説明できますか? 挙式会場にはなぜ個人名ではなく「◯◯家△△家披露宴」と書いてあるのか。事件の加害者家族がメディアで謝る理由とは。「世間学」の第一人者が、プライベートな領域であるはずの家族にまで影響を与える「世間」の正体を大胆に分析。世間からの「同調圧力」はどのように「家族」のあり方を歪めているのか。日本人が集団になったときに発生する力学を、歴史、法律、メディア、年中行事などから徹底解剖!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
M
6
内容はわかりやすいが、あまりに問題の単純化がすぎるのではないだろうか。中世の婚姻関係に欧米社会と日本社会の分化の淵源を見出しているが、ヨーロッパ中世は宗教の時代であり、宗教戦争も頻繁に繰り広げられた不安定な社会ではなかったのか。そこから融和を図るための啓蒙から市民社会なるものが出来たとしても、欧米の格差とアメリカの現状を見た時に浮かび上がるのは勝者と敗者の区分の徹底とその競争によって生み出された負のエネルギーの矛先を他者やその他の国に押し付けているだけで、社会としても成熟したものといえるのかと疑問に思った2021/01/13
さぼてん
1
目に見えない世間というものにいかに縛られいるか、よく分かりました。世間と出先機関である家庭、という言い方が印象的でした。成人した子供の不祥事を親が謝る…、言われてみればおかしな事かもしれません。この価値観は、作者が言うように、簡単には変わることは無いかもしれません。どんどんグローバル化が進んでいけば変わるのでしょうか? でも、治安の良さや秩序立った社会は、居心地が良く、住みやすい一面もあるのではないか、と思います。2022/05/23
Tom
1
「いえ」は世間の出先機関。欧米のように犯罪を犯した身内を庇いまくるのもどうかと思うが、日本で犯罪や不祥事を起こした人間の身内に対するバッシングは異常だよな。夫婦が互いのことを「パパ」「ママ」呼びするのは気持ち悪い。だから日本人夫婦はセックスレスになりやすいんだと思う。「親」に性欲は抱かないから。結婚式の○○家も変だ。現代はほとんど個人同士による恋愛結婚なのに、家が出しゃばる意味がわからない。特に嫁は家父長制度に取り込まれるだけだぞ。そういうことに結婚式やってる本人達は気づいてないんだろうけど。2022/01/13