内容説明
初代満鉄総裁、二度の内務大臣、外務大臣、東京市長……。首相にこそ手が届かなかったが、後藤新平は誰もがその名を知る大政治家の一人だ。しかし、後藤の素質と思想が最大限に活かされ、力量が発揮されたのは四十代の台湾総督府民政長官時代であった。「アヘンの島」と呼ばれ、ゲリラの絶えなかった彼の地が植民地経営の一つの成功例と言われるまでになったのはなぜか。政治指導者のリーダーシップの原型を開発経済学の泰斗が描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさしぶり
21
アヘン吸引、マラリヤ、結核の蔓延、追剥や豪族の反発など清国も価値なしとした台湾の統治。体に血が巡るようなグランドデザインを描く事ができたのがまさに後藤新平だったと思う。〈住民を教化するにはその習俗を究める〉肯定からの変革を目指したと言える。戦後の帰還兵士の検疫対応は今でも参考にならないか?人選の目利と腹のすわった対応‥‥惚れ惚れする。台湾と朝鮮の統治、いずれもインフラ整備したものの日本精神リツプンチエンシンまで浸透しなかったその差を残念に思う。2021/03/31
teddy11015544
15
後藤新平が最も輝いたとされる台湾統治時代のお話です。児玉源太郎との関係や、その当時の台湾の状況、台湾開発に尽力した他の人々などの事も語られ、とても面白い本でした。日露戦争近辺の日本の状況の面白さもありますが、今あたりまえのように我々が手にしている社会資本の構築はとても大変なんだな、とあらためて実感しました。2021/01/24
Fumi Kawahara
6
『DOPESICK』を読んだので、麻薬関係への興味から手を取る。しかし、これはアメリカでは使えない手だわ・・・メキシコからの密輸を止められないから、許可制&専売&高価格では、低価格の密輸ヘロインがはびこる・・・より危険性のない嗜好品への誘導は、大麻解禁で実行している州も出てきてるけど・・・しかし、「予算だけとってきて、後は自由にさせてくれる上司」、いいですね。おら、なんだか、児玉源太郎にも興味がわいてきたぞ!しかし、満州の件は日露戦争直後からもうgdgdだったのか・・・もう政治家の劣化が始まってたんかな?2021/02/14
くらーく
5
児玉閣下がいてこその後藤新平だった。優秀なトップに仕えるとても優秀な官僚かねえ。他にもバルトン氏と浜野弥四郎、井上勝と長谷川謹介、山形要助、八田与一などの名前が。皆、優秀な人ばかりだねえ。やはり、優秀な人材に任せることが大切なんだなあ。 満鉄総裁のところは、読んでて辛いね。 あと、あとがきがちょっと興味深いね。日本の植民地比較論か。台湾と朝鮮。まあ、植民地になる前の自治の違いなんだろうねえ。魔境の地とは言いつつも自治の台湾と中華、両班に支配されていた朝鮮の違いのようで。2021/04/16
安土留之
4
台湾総督府の民政長官であった後藤新平を描いた作品。台湾での業績を過不足なくカバーしており、後藤新平の台湾時代を知る本として、そして台湾がなぜ親日的になったかをする本としてはお勧めです。 ただし、著者は後藤新平が台湾で燃え尽きてしまったかのように書いているけど、ちょっと違うと私は思います。後藤新平は生涯にわたって情熱をもって、そして無私の精神で日本の発展に貢献した人であり、その人間像に迫った本としては、『後藤新平 日本の羅針盤となった男』(山岡淳一郎)をお勧めします。 2021/02/22




