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内容説明
九州を舞台に活躍した戦国武将、立花宗茂。直接参加した戦では生涯無敗で秀吉も「日本無双」と賞賛を送った。関ヶ原の戦い後に一度は浪人の身になるも、再び徳川家に取り立てられ、ついには旧領復帰を果たす。その波瀾に満ちた人生から「大河切望NO.1」と名高い宗茂の生涯を歴史家・加来氏が独自の視点で描き出す。混沌たる今こそ、日本史最強武将の生涯に学べ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きみたけ
65
秀吉から「西国一の武将」と讃えられた戦国武将の立花宗茂、本を読んでたちまちファンになりました😆著者は作家で歴史家の加来耕三氏。「生涯一度も負けたことがない奇跡の武将」と称される立花宗茂について、本人の生い立ちだけでなく、当時の九州情勢や朝鮮出兵(文禄・慶長の役)の様子なども解説した一冊。戦術の上手さだけでなく、ブレない自分軸を持ち続けたところがとても魅力。戦国時代の九州の武将はなかなかクローズアップされず、「軍師 官兵衛」でも九州時代の描写はごくわずか。大河ドラマ化したらぜひ見てみたい。2023/05/10
Kiyoshi Utsugi
35
この本は借りる人が多いので、貸出期間の延長が不可のため、急いで読みました。 豊臣秀吉から西国無双と言われた戦国武将の立花宗茂(東国は本多平八郎忠勝)を描いたもの。 著者の加来耕三は、歴史家であるとともに作家でもあるので、なかなかに面白かったです。 ・九州三国志 ・二人の父と共に ・立花山での籠城 ・日本無双 宗茂と豊臣政権 ・二十年後の返り咲きの真相 から構成されています。 このうちの「九州三国志」の章を読んだら、また九州の城巡りに行きたくなりました。😀 と言っても、マンボウが終わってからですが。2022/01/31
はちこう
22
「塞翁が楯」では大津城攻略の場面で立花宗茂が登場するが、宗茂最大の活躍は「文禄・慶長の役」の時だったとのこと。宗茂の地元では大河化を期待する声もあるみたいだが、宗茂の名がそれほど有名じゃないのは、この役が現代の日本人に不人気だからだろう。著者は宗茂を戦国無双としているが、後世からの人気を得るのには、その舞台の華々しさも重要な要素になるようだ。父高橋紹運と義父戸次道雪に関する記述に結構な紙幅を割いているが、大津城攻略を含めて宗茂の後半生をもう少し詳しく書いて欲しかった。2025/06/12
寝落ち6段
16
立花宗茂、広く知られていない人物だが、ずっとスポットを浴びてほしいと思っている。大友、島津、龍造寺の三国志状態の九州。大友家臣・高橋紹運の子として生まれた宗茂。本書はこの九州三国時代を描くことで、宗茂の立場や考え方の醸成の裏打ちを行う。父の最期や養父・戸次道雪の生き様、あまり描かれていないが妻・誾千代との愛…。戦国最強武将とか、私は論じられるものではないと思うが、確かに戦国随一の芯をもった人間であったと思う。筋を通す、これは自分の哲学があるからこそできることである。私も自分の哲学をもって生きたい。2022/12/05
coolflat
15
本書の半分が、題名の立花宗茂の生きた時代とほとんど重ならない、九州三国志(大友vs島津vs龍造寺、主君である大友宗麟、父・高橋紹運、義父・立花道雪を主軸に描かれている)に割かれている。残りの半分に、主役・立花宗茂が活躍する、秀吉の九州征伐~朝鮮出兵~関ヶ原の戦い、が割かれている。立花宗茂は1637年の島原の乱あたりまで活躍するが、関ケ原以後は最後の残り2、3ページに表記するのみで寂しい(牢人からの復活劇が分かりにくい)。本書を立花宗茂の伝記として読むと肩透かしを食らうが、九州戦国時代史として読むならアリ。2022/05/10