岩波ジュニア新書<br> 地方自治のしくみがわかる本

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岩波ジュニア新書
地方自治のしくみがわかる本

  • 著者名:村林守
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 岩波書店(2021/01発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005008230

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内容説明

自治体は内閣や省庁に従属するの? 市町村長と議会の役割は何? そんな制度面だけでなく,現実に自治体は何をしているのだろうか? じつは憲法はひじょうに強い自治権を保障し,住民は政策決定に間接・直接に関われるようになっています.暮らしをよくするための地方自治のあり方と住民の役割を,いっしょに考えてみませんか.

目次

はじめに┴第1章 私たちの暮らしと行政サービス┴市町村役場や都道府県庁は行政サービスをしている┴人は社会をつくって生きている┴行政サービスとは何だろう┴行政サービスは三層の政府が提供している┴第2章 どうして地方自治があるのだろうか┴地方自治は憲法が保障している┴行政サービスの効率のために地方自治が必要┴地方自治は民主主義の学校┴地域独自の政治システム┴第3章 住民が地方自治の主権者┴自治体は地域の「ミニ国家」┴住民かどうかは居住の事実によって決まる┴住民の権利と義務┴外国籍住民の権利と義務┴さまざまな「住民」┴第4章 自治体の組織は二元代表制┴憲法が二元代表制を採用┴議会と首長は何がちがうのか┴議会の強み、首長の強み┴不信任の制度┴行政委員会┴官僚制で組織された行政職員┴第5章 住民は政治に参加できる┴選挙権の行使┴直接参政制度┴請願・陳情、意見募集┴参加のパラドックスと住民運動┴条例による住民投票┴住民投票を誰がリードするのか┴住民投票では決められない┴住民投票への批判とそれに対する反論┴第6章 政策はどう決まり、どう実施されるか┴予算は一年度間の政策をあらわす┴意見・要望は声に出す┴執行機関で優先順位を決める┴議会での議論と議決┴予算の執行┴新しい行政サービスは住民の声から┴第7章 自治体財政はどうまかなわれているか┴どんな政策をしているのか┴どんな政策手段があるのか┴歳出決算から財政状況を見る┴どんな収入があるのか┴財源として見た場合の収入┴地方財政計画で自治体全体の財源を確保┴地方交付税制度で財源を各自治体に配分┴多額の借金が自治体におよぼす影響┴第8章 国と自治体の関係はどうなっているか┴自治権は国家の主権にしたがう┴下から上への政治、上から下への行政┴地方分権改革┴三位一体改革┴第9章 地方自治の過去・現在・未来┴市町村はもとをたどれば江戸時代のむら┴都道府県のもとは江戸時代の藩┴地域自治会ももとは江戸時代のむら┴地方自治か地方行政か┴地方自治の未来を展望する┴第10章 地方自治の未来のために┴自治体の改革┴行政だけにまかせておいてよいのか┴民主主義を活性化させる┴民主主義と学習┴身近な地域自治に参加してみよう┴おわりに┴参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

崩紫サロメ

14
著者は元三重県庁の職員で大学教員。現場での経験を交えながら、地方自治を様々な角度から説明した非常に内容の濃い入門書。中央・地方の関係について、江戸時代の藩のあり方、明治維新で近代化を図る中で日本は中央の影響の強い大陸法を取り入れたことなど統治・歴史の部分がわかりやすい。そしておそらく筆者の強みとする財政の部分、「自治体が財政的に苦しいかどうか」をを見る上で重要な項目を挙げつつも、その部分を削るとどのようなデメリットが生じるか、など丁寧に説明している。2025/08/11

スプリント

8
某都知事の最低な会見をみて地方自治についてあらためて勉強。 この本だったら政治資金で購入しても良し。 でも読むのは職を辞してからにしてほしい。2016/06/13

hk

7
「地方自治は大統領制に近い」 このワンフレーズが非常に腹落ちした。国政においては議院内閣制と政党政治の足し算により、立法と行政は昵懇の関係になってしまいがちだ。一方で地方政治においては立法を担う議員選挙とは別に、行政を担当する首長を直接投票で選ぶ。そのため、立法と行政の間で相互チェック機能が働きやすい。……だがしかし、昨今では地方政府の首長が政党を立ち上げて、その政党からイエスマン地方議員を送り込むという手法が横行している。ひっきょう、地方自治においても政党政治色が強くなり相互監視力は弱くなっている。2016/04/05

Hiroshi

6
元三重県庁の職員で大学の非常勤講師等をしている著者が、地方自治の全体を理解し、地方自治の基本的な仕組みを知り、身近な暮らしから地方自治の実像を見てもらいたくて書いた本。『財政のしくみがわかる本』の姉妹編として書かれた。私たちの社会を支えるのは、①強制力により人を従わせて社会を纏めていく政治システム、②自発的な協力によって比較的小さな社会を纏めていく社会システム、③お金を媒介にして社会全体で分業しながら必要な財やサービスを生み出していく経済システムだ。政治システムが提供している財やサービスが行政サービスだ。2024/02/06

ひでき

5
これぞ地方自治の教科書。ジュニア新書なんだけど、中高生が読んで分かるものなのかしら。文章は平易にするのを心がけているけど内容は深い。国の下請け的な「地方行政」から脱却する「自立経営改革」が必要ではないか、とのこと。2024/04/17

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