岩波科学ライブラリー<br> 南の島のよくカニ食う旧石器人

個数:1
紙書籍版価格
¥1,430
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

岩波科学ライブラリー
南の島のよくカニ食う旧石器人

  • 著者名:藤田祐樹
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 岩波書店(2021/01発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 390pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000296878

ファイル: /

内容説明

日本の人類史でもっとも古く,長く,そして謎の多い旧石器時代.何万年もの間,人々はいかに暮らしていたのか.えっ,カニですか……!?ウナギを釣り,貝のビーズでおしゃれして,旬のカニをたらふく食べる.沖縄の洞窟遺跡の膨大な遺物から見えてきた,旧石器人のなんとも優雅な生活を,見てきたかのようにいきいきと描く.

目次

はじめに┴年表┴地図┴1 むかしばなしの始まり 人類誕生,そしてヒトは沖縄へ┴新参者の私たち/アフリカからの偉大な旅/旧石器時代のヒトと暮らしを考える/主人公はどんな姿か?/なぜか沖縄で見つかる旧石器人/港川人 1970年代の大発見/骨から考える旧石器時代/豊かな森の厳しい暮らし?/なぜ島にとどまったのか┴◆コラム 山下町第一洞穴遺跡┴2 洞窟を掘る 沖縄に旧石器人を求めて┴鍾乳洞で遺跡を探す/最初の調査,ハナンダガマ/次は武芸洞/穴があったら入りたい人たち/そしてサキタリ洞へ/カニ,カニ,カニ,カニ/掘り続ける日々/人骨が出た!?/年代測定の難しさ/おそろしく悩ましい決断/嬉しい誤算┴◆コラム 遺物の古さを測る方法┴◆コラム 見つけてしまったお墓┴3 カニとウナギと釣り針と 旧石器人が残したもの┴沖縄で旧石器を見つけた!/またしてもカニ/貝は割れていた/旧石器人のビーズ/世界最古の釣り針発見!/釣ったはずの魚を探せ/魚の捕まえ方/食べたもの,食べられなかったもの/どうして焼けるのか/きれい好きな旧石器人?/夜の川沿いの動物たち/ヘビやトカゲも食べた!?/小動物のある食卓┴◆コラム 魚介類を味わう人々┴4 違いのわかる旧石器人 「旬」の食材を召し上がれ┴食べるべきイノシシは山ほどいる/大きなモクズガニの謎/カワニナから季節がわかる!?/黒いカワニナは焼けていた/やっぱり秋だった!/季節に合わせた採食戦略┴◆コラム カワニナを食べる人々┴5 消えたリュウキュウジカの謎┴沖縄の絶滅シカたち/ヒトが食べた証拠はないか/6000年で絶滅/島に暮らすうちに小型化?/長寿の島の長寿のシカ/そこにヒトがやってきた┴◆コラム 石垣島の旧石器人┴6 むかしばなしはまだ続く┴サキタリ洞むかしばなし/厳しい暮らし? おいしい暮らし?/石器はどうして見つからないのか/旧石器人は生き続けたか/冬になり,そしていずこへ……?┴参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

32
タイトルが出落ち。掘っても掘ってもカニしか出てこない洞窟で何年も発掘作業を重ねた著者の奮闘記。時折差し込まれる小芝居が著者の優しい人柄を偲ばせる。世界最古の貝殻製の釣り針。旬の秋にのみ身の詰まったモクズガニを味わう旧石器人たち。島の暮らしにあわせて小型化し、鹿としては稀な26年の長寿を誇るリュウキュウジカが湊川人がグレートジャーニーの果てに沖縄に辿り着いてから6000年で絶滅した話。けれども湊川人の血は現在の沖縄の人々にも縄文人にも流れていないらしい。読後感が川原泉の漫画みたいで、切なくも楽しかった。2020/02/09

トムトム

30
研究職は大変です。洞窟探検家のエピソードだけでも、一冊書けるんじゃないかしら。知識が増えると先入観も増えてしまう。竹ひごでカリカリと黙々とひたすら発掘という心が無になる作業をしてアイデアをひらめいた時、気持ちよかったと思います。だから研究職はやめられない!面白い本でした。2020/12/26

サアベドラ

28
沖縄本島南部の洞窟遺跡の発掘調査を通して、復元された当地の旧石器人の生活(特に食生活)を分かりやすく紹介した本。2019年刊。旧石器人というとマンモスとかシカとか食べてるイメージがあるが、当地ではどうもカニとカワニナ(巻貝)を大量に食べていたらしく、しかもカニはわざわざ旬の秋を狙って捕まえていたという。遠い昔の、それも縄文時代よりさらに前の時代の人が何を食べていたかなんて、冷静に考えるとあまり興味の湧かないテーマかもしれないが、著者がすごく楽しそうに書いているので読んでいるこっちも楽しくなってくる不思議。2019/11/04

翠埜もぐら

20
沖縄の旧石器人の生活痕が残るサキタリ洞の発掘と、発掘品から考察・想像・妄想するお話。旧石器時代と言うのに石器がほとんど出土しないって、どうやって生活してたんだと思ったらどうやら貝殻を加工していたらしいと。でも今の考古学は遺物の表面の微細な傷まで調べるのね。いろいろ苦労もあるだろうに著者の「発掘って楽しい!」と、ぎりぎり許されるのかっと言う妄想があふれる楽しい本です。2019年刊行でほぼ最新情報。まだ発掘途中のようなので続編が楽しみです。出るよね岩波書店さん、続編。2022/07/28

月をみるもの

16
やっぱ船で台湾から沖縄へとやって来たのかな。。。https://www.kahaku.go.jp/research/activities/special/koukai/about/2019/09/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/14204977
  • ご注意事項