岩波新書<br> 日本問答

個数:1
紙書籍版価格
¥1,144
  • 電子書籍
  • Reader

岩波新書
日本問答

  • 著者名:田中優子/松岡正剛
  • 価格 ¥1,034(本体¥940)
  • 岩波書店(2021/01発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004316848

ファイル: /

内容説明

日本はどんな価値観で組み立てられてきたのか.なぜそれが忘れられてきたのか.「内なる日本」と「外なる日本」,「善」と「悪」,「表」と「裏」――デュアル思考で見えてくる多様性の魅力とは.常に新境地を切り開く江戸文化研究者と古今東西の書物を読破し続ける編集工学者が,日本の来し方・行く末をめぐって侃侃諤諤の知の冒険!

目次

はじめに(松岡正剛)┴1 折りたたむ日本┴内なる日本・外なる日本┴着物を着ない天皇┴「方法」から日本を見る┴デュアルスタンダードな日本┴普遍に向かわない価値観┴「世」と「代」の時空┴2 「国の家」とは何か┴大和朝廷はいつ確立したのか┴蘇我馬子と聖徳太子┴公家集団と有識故実┴天皇と将軍 日本には王権がない?┴3 面影の手法┴『夜明け前』と日本の「おおもと」┴面影カメラで見る日本┴昭和の礼法と菓子屋の由緒┴ヒエラルキーにならない社会┴境にいる人びとと物語┴4 日本の治め方┴神と仏とまつりごと┴キリシタンは反秩序┴南朝ロマンと鎖国┴5 日本儒学と日本の身体┴なぜ江戸幕府は朱子学を御用学問にしたか┴なぜ神道と儒教が結びついたのか┴国学が解いたこと┴日本の「身」と「体」 国体とは何だったのか┴プリンシプルのない日本┴6 直す日本,継ぐ日本┴なぜ出雲は隠れたのか┴アマテラスとスサノオの誓約┴神の庭・斎の庭・市の庭┴「富」とは何か 支払いとお祓い┴循環型の経済システム┴職人と商人が継いでいたもの┴7 物語とメディアの方法┴「個」のなかにもデュアルがある┴「ウツ」と「ウツツ」と「ウツロヒ」┴江戸の寺子屋と学問熱┴表の版木と地下の活字┴8 日本の来し方・行く末┴日本の共同体はどうなるか┴二人の「奥」にある日本┴何を読んでいたか┴相互編集的日本像のために┴日本に仕掛けたい問答┴あとがき(田中優子)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

118
このお二人の本は何冊か読んでいるのですが、さすがにこのお二人が対談をされると自分の頭までが覚醒されるような感じになってきます。それだけに読みやすい素晴らしい本でした。日本の根源的なものを時代を超えてさまざまな文献などから探っていきます。編年体的な話ではなく、さまざまな時代から時代へ行くのがいいですね。再読候補の本です。2018/09/19

アキ

77
日本が好きで日本とは何かを知ろうとしてきたお二人の対話の内容が凄すぎて、ほんの僅かしか理解出来てないと思う。繰り返し言われてたのは「デュアル」という方法。漢語と和語、真名と仮名、神と仏、儒と仏、天皇と幕府など。中と外をうまく折りたたみできてきた。また国家の言葉に注目し、十七条の憲法から使われてきた言葉と明かされる。聖徳太子の時代から国の家と呼ぶほど、家は普遍的なのだろう。おふたりとも子どもの頃、色っぽい世界に触れていたという共通点がある。田中氏は「やつし」、松岡氏は「もどき」を方法論のキーワードに挙げる。2020/08/09

しゃが

46
知的なエキサイティングな対談だった、お二人は江戸文化研究者田中優子さんと古今東西の書物への造詣が深い編集工学者松岡正剛さん。日本を知り、考える材料となった。「内なる日本と外なる日本」「善と悪」「表と裏」「天皇と将軍」「神と仏」など日本の歴史文化、思考、価値観の二つのモノ・コト・イシキで出来上がってきた、本来多様性で構築されてきたと古今東西の歴史から紐解いていく。ほとんど「へぇ~」の連続、消化できなかったことも多かったが、面白い。それでも感想をまとめるのは難しい、この本のさすがなところかもしれない。2018/01/11

壱萬参仟縁

44
日本問答とは日本について問答する、日本に問答をふっかける(ⅱ頁)。田中先生:大事なのは個人や個性の質。社会に何をおこしたのか、歴史から何を引き出して何を付け加えたのか、どのような言葉を与えたのか、多様な働きを通して質を見る(18頁)。松岡先生:石門信学は講席童話。門下の手島堵庵がそれをノウハウ本のほうに広げた。日本の陽明学も質からいうとかなりあやしい(26頁)。田中先生:インド人もイスラム教徒以外は現実の生活に根ざした家庭のなかの信仰で育ち、かならずしも普遍宗教に拠ってはいないということです(131頁)。2018/06/17

スプーン

40
舌を巻く対談本。日本は何もかも受け入れる「和」の国であり、歴史には「内と外」があると説く。(私が)無知過ぎて感想が書けない一冊。2022/01/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12409498
  • ご注意事項

最近チェックした商品