内容説明
■日本人の健康を決めているものは何か? 職歴か、学歴か、所得か、貧困の程度、社会参加の度合いなのか? 社会保障問題、「幸せ」の経済分析などで定評のある著者が、日本人の健康が、日常生活、暮らし、就職、地域、介護、夫婦関係などによって大きく左右されている実態を明らかにし、健康に関わる様々な社会問題を解決するための政策について考察します。
■学歴がなぜ健康に直接、関係するのか? 本書の特色はしっかりしたデータ分析によって日本人の健康の社会的な要因を明らかにしている点にあります。著者は、それを平易な言葉で解説、だれもが関心を持つ健康について、新しい見方をわかりやすく提示する本です。
目次
第1章 健康面でも不利な就職氷河期世代
第2章 非正規雇用を健康面から評価する
第3章 貧困を健康面から再定義する
第4章 社会参加活動を健康面から評価する
第5章 中高年の健康は学歴にどこまで左右されるか
第6章 家族は介護に耐えられるか
第7章 高齢者はどこまで働けるか
終 章 総括:何が明らかになったか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hurosinki
5
本書は、社会経済的要因(雇用、社会的孤立、社会参加活動、学歴など)から健康状態を説明するアプローチを採っている。こうした分析には、健康がそうした社会経済的要因に影響する(逆の因果関係)などの内生性の問題が出てくる(p196)。社会参加活動と健康との関係を扱う第4章はその問題が大きい。2022/12/10
namtek
1
日本人の健康は、様々な要因から影響を受けているが、本書は社会的要因にフォーカスして検討している。いずれもそうだろうなと納得できるような点が多いが、改めてデータから検証している点は説得力があると感じた。2022/09/30
Sensyuraku
1
就職氷河期世代の健康は他と比べて悪い、とか社会参加活動に熱心な人は生活習慣病リスクが低いとか結果は大体印象通りだが、実際に政策に反映させる数字としてどこまで改善すべきか、どこまで許容ラインか、みたいなのが分かるのが有り難いね。2022/03/07