河出文庫<br> すごい物理学入門

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河出文庫
すごい物理学入門

  • ISBN:9784309467238

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内容説明

世界的ベストセラー『時間は存在しない』『すごい物理学講義』の天才物理学者による世界一わかりやすく美しい「七つの講義」。『世の中ががらりと変わって見える物理の本』を改題。物理を知りたいと思っているあなたに贈る、最も軽やかで最も素敵で、あっというまに理解できる感動的な究極の名著。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まこみや

69
ロヴェッリが描く物理学の最先端の景色は、常識的な日常世界とは途方もなく隔った奇妙で驚異に満ちた世界である。そこには絶対矛盾の自己統一とでもいう他ない、一種の美しさがある。そうした画期的な理論の一々が常に逆説的な発想によって齎されたことにも感動する。さらに理論の説明の端々における、彼のちょっとした発言が素敵だ。特に、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲の美しさを語ると同時にアインシュタインの相対性理論の美しさを語り、その美しさを理解することは世界に対する新しい見方を獲得することだという発言には深く啓発された。2023/09/08

nbhd

26
何も考えずにそのまま飲み込んだ一文①「過去と未来のあいだに違いが生じるのは、熱が介在する場合に限られます」。物理学で、「時間の流れ」をつかめているのが熱力学の分野だけらしい(しかも「かろうじて」くらい)。/何も考えずにそのまま飲み込んだ一文②「熱が、熱いものから冷たいものへ移動するのは、絶対的な法則にしたがっているからではなく、たんに高い確率でそうなっているにすぎない」。熱い物体が、冷たい物体と触れて、熱くなることも確率的にはありうるけど、ほんのわずかな確率なので、現実的に起きないだけらしい。すごいね。2021/06/28

ロア

26
物理とは何か?哲学や科学史までをも広く俯瞰した上で一つの「流れ」としてとらえ、物理のはじめの一歩を「7つの講義」で優しく説いてくれます。予想外の方向へ向かう最終講義は必読!自然から歪に乖離していく人類の現状をただ見ている事しか出来ない自分の不甲斐なさも相まって、新年早々号泣。゚(゚´Д`゚)゚。泣いてるだけじゃ何にも始まんねーぞ!2021/01/01

tetsu

24
★5 イタリア人の書いたベストセラーになった物理学の入門書。難解な物理を、誰もがわかる平易な言葉で詩的に語る本。訳者の関口英子さんも素晴らしいのだろう。とても分かりやすく日本でいうと村山斉や福岡伸一などか。 『熱が時間の流れを生む』と『自由と好奇心』の章が特によかった。 宇宙から人間に関する考察まで教養溢れる良書でおすすめの一冊。読書の醍醐味ですね。2020/12/26

マーブル

21
自然の観察者であり、かつ構成者である我々人類。人類は自然の一部であり、自然のもつ、多彩な無数の表現のひとつと語る筆者。科学の最先端にいながら、驕ることなく、人類を特別視もしない。それどころか、人類は遠からぬ将来滅ぶだろう、と言う。世論も政治も砂の中に頭をうずめているように、危険を直視しない状態では。しかし、決して人類を悲観的に見ているわけではない。広大な宇宙の成り立ち、その不思議。目に見ることもできない量子の世界。マクロとミクロの大きく深い世界に触れていると、人類の存在もちっぽけなものに思えるのだろうか。2022/01/28

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